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平成10年第2回定例会(第3号 3月10日)

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  1. 鹿角市議会 1998-03-10
    平成10年第2回定例会(第3号 3月10日)


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    平成10年第2回定例会(第3号 3月10日)    平成10年3月10日(火)午前10時開議  開  議  第1.一般質問     質  問     答  弁  散  会 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 本日の会議に付した事件  第1.一般質問    高 杉 英次郎 君    小田切 康 人 君    大信田 喜 一 君 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員(23名)       1番  石 川   徹 君     3番  村 木 繁 夫 君
          4番  小田切 康 人 君     5番  黒 澤 一 夫 君       6番  福 島 壽 榮 君     7番  石 川 幸 美 君       8番  米 田 健 一 君     9番  伊 藤   進 君      10番  奈 良 喜三郎 君    11番  阿 部 節 雄 君      12番  大 里 恭 司 君    13番  児 玉 政 芳 君      14番  中 西 日出男 君    16番  岩 船 正 記 君      17番  阿 部 邦 宏 君    18番  阿 部 佐太郎 君      19番  佐々木 義 隆 君    20番  勝 又 幹 雄 君      21番  大信田 喜 一 君    23番  佐 藤 洋 輔 君      24番  成 田 吉 衛 君    25番  黒 沢 直 弥 君      26番  高 杉 英次郎 君 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 欠席議員(2名)      15番  畠 山 玄 介 君    22番  齋 藤 啓 一 君 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 事務局出席職員  局  長    大 里 博 志 君  次 長       畠 山 修 三 君  次長補佐    廣 林   剛 君  主査        今 泉   修 君  主任      菅 原   勤 君  主任        安 保 一 雄 君 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 説明のため出席した者の職氏名  市長      杉 江 宗 祐 君  助役        佐 藤 秀 朗 君  収入役     木 村 正 司 君  教育長       淺 利   忠 君  代表監査委員  三 村 陽 一 君  総務部長      勝 田   尚 君  市民福祉部長  花ノ木 一 好 君  産業振興部長    阿 部   正 君  都市建設部長  千 田 俊 夫 君  総務部付部長待遇  大 里   勲 君  教育次長    高 畑   直 君  総務部次長     工 藤 利 栄 君  産業振興部次長 木 村 久 男 君  農業委員会事務局長 阿 部 勝 男 君  上下水道部次長 賀 川 一 男 君  総務課長      児 玉 弘 志 君  財政課長    児 玉   一 君 ○議会事務局長(大里博志君)  ただいままでの出席議員数をご報告申し上げます。出席23名、欠席2名でございます。したがいまして、会議開会の定足数に達しております。  なお、本日の欠席議員は、15番畠山玄介議員、22番齋藤啓一議員であります。終わります。               午前10時02分 開議 ○議長(佐藤洋輔君)  ただいま報告ありましたように、議員定数の半数以上が出席されておりますので、会議は成立いたします。よって、本日の会議を開きます。  本日の会議は、議事日程第3号により進めてまいります。 ―――――――――――――――――― 〇 ――――――――――――――――――                日程第1 一般質問 ○議長(佐藤洋輔君)  日程第1、一般質問を昨日に引き続いて行います。  順位5番、高杉英次郎君の発言を許します。高杉英次郎君。              (26番 高杉英次郎君 登壇) ○26番(高杉英次郎君)  私の一般質問でありますけれども、同僚議員の石井議員の亡くなられたことについて、心からご冥福をお祈り申し上げ、一般質問をさせていただきます。  私の持ち時間は60分でありまして非常に短いわけですが、通告申し上げた順に入る前に、私から冒頭に一般論を申し上げながら、後段の質問に対するご答弁に、当局の行政の執行責任者である市長の決断を期待するものであります。  「戦後50年、歴史の流れは大きく変わった」という、この言葉に今さらとらわれたくありませんが、しかし、戦後の歴史は生きております。日本が敗戦、廃墟と化した中で、衣食住に事欠き、飢餓線上を彷徨する同じ日本人として、余りに悲惨などん底の生活。放出された米国の小麦粉で辛うじて飢えをしのぎ、立ち上がった日本人であります。  「日本再建」の目標のもとに、当事国との平和国交回復を図りながら、歴代内閣は所得倍増、高度経済成長日本列島改造論などを掲げて再建政策を進めてきましたが、一方においては、時代の革命的犠牲を伴いながらも、我が国は高度に発展・成長いたしました。  科学技術の進歩による経済成長は、国民に豊かさをもたらした反面、経済優先市場主義による今日の日本の現状はどうでしょうか。「真の豊かさ」が失われ、心の荒廃、人間性の喪失など、子が親を、親が子を暴行・殺りく。小中学校、高校生のナイフによる暴力。子供の無気力化、教師と生徒の心の隔絶、国・県を問わない不正・腐敗の横行、金融業界の破綻など、まさに社会秩序崩壊という病巣の根の深さを物語っております。  また、農業問題にしてもしかりで、日本で素材加工・製造したものを外国に輸出する見返り条件として、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意により米を買わされる。「新食糧法」ができたと思ったら米価の値下げ。減反はいや応なくふえる。農業に魅力がないので、若者たちは農業に見切りをつけ後継者がいなくなる。  高度に発展した社会風潮は少子化現象高齢化社会に拍車をかけ、医療費や保険料負担の高騰による生活の圧迫感に国民は泣いております。既に若年層にも重い負担がのしかかっております。  ふるさとに帰って「親と一緒に暮らしたい」と思う若者もいますが、農業や商業で自立していくことが難しいため、自分が生まれた親元に帰れない。それはなぜか。雇用の場がないからであります。  商店も大型店の進出であえいでおり、商店街近代化事業で軒並みをきれいにしても、お客は来てくれない。  人口も、合併当初4万 9,691人であったものが、今年1月末には4万 1,339人となり、4月になれば、中高校生の就職・進学でさらに減少することが必至であります。これでは商店街の空洞化の現象が起きるのは理の当然であります。  私は、次の言葉が、鹿角市の現実の姿を表現しているのではないかと思います。「村に道路がないので生活が不便だ。道路を整備したら、その道路を使って若者たちが村を出ていった」というやゆされた言葉であります。この言葉の裏を返せば、道路はよくなったが、若者の雇用の場がないという切実な問題を表現しているものと思うわけであります。若者たちがこの地に住み着いて働く場所の確保は、絶対条件であります。  また、本市は道路網の整備もおくれております。20年ないし30年かかっても実現はかすみの中にあります。毎回の一般質問で議員各位より質問が積極的に出ているが、一体どうなっているのか見通しが立たない。反面、時代は日進月歩で進んでおります。  あわせて、都市としての集積もおくれており、合併以来、歴代の市長が総合開発基本構想や実施計画を立てて努力してきたことは認めますが、その成果をどう評価しているのか。元年度に策定した今回の構想では、本市の自然と豊富な資源を生かして観光客を呼び、企業を誘致して定住人口を増加させ、平成12年度には4万 6,000人とする計画であったが、平成12年に4万 4,000人に見直しせざるを得なくなりました。人口は、そのまちの盛衰のバロメーターであります。707.12平方キロメートルという広大な面積、大自然と豊かな資源、小さいことにとらわれることなく、市民の英知を集め、決断とこれを実現させようとする実行のパワーが、これを決するのではないでしょうか。高速道路、運動公園も整備され、温泉もある。上下水道事業も進められている。施設の整備水準向上はしております。  かく考え、戦後歩んできた歴史を顧みて一般論を述べましたが、なお続く人口の減少、少子化、高齢化の進行、果たしてこのままの時代の便乗主義でよいのでしょうか。この際、もっと市民の英知をかり市民と行政が一体となり、この難局を積極果敢に乗り切るため、情熱を燃やして立ち上がってもらいたい。  もちろん財源にも限りがあります。「ローマは一日にして成らず」という格言もあります。方向を定めたら、その方向に向かってたゆまず努力を続けるべきであります。北上市は、過去数十年、一貫して工業振興・企業誘致に取り組んでおります。年に 700人あるいは 1,000人の人口がふえていると言われております。目先のことにとらわれず、高邁な理想を掲げ、理想に一歩でも近づく情熱と決断・実行が問題を解決するものと信じるものであります。議会も小異を捨てて、大同につくという視点で、鹿角市づくりに情熱を燃やし続けようではありませんか。  以上、今後の市政運営について市長の決意のほどを伺うため、これまでの社会経済情勢の変化について申し述べながら、次の問題について質問させていただきます。  最初に、女性の声を市政にという見地から、男女共同参画社会の実現についてお尋ねいたしますが、1998年のキーワードは「男女共同参画ビジョン」であります。21世紀もあと3年、21世紀の新たな価値観の創造が必要であります。同ビジョンは「男女が社会の対等な構成員として、みずからの意志によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保される。もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつともに責任を担うべき社会」を目指しております。我が国の少子化、高齢化、情報化、国際化、経済構造の変化に対応するためには、男女共同参画が必要不可欠であり、優先課題であることを指摘しております。  国は平成6年7月に「男女共同参画推進本部」を設置し、さらに男女共同参画社会実現についての意見を聞くため「男女共同参画審議会」を設置し、具体的提言を求めながら、国の審議会への女性の参加比率を2000年までに20%にし、以後、早期に国際的な目標である30%の達成を目指すこととしております。また、女性の雇用面においては、昭和47年7月に「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等、女子労働者の福祉の増進に関する法律」、いわゆる男女雇用機会均等法も制定され、女性の社会的な地位が高められております。  もちろん、女性自体にも社会の場で積極的に発言し、提言していこうという意欲と行動が求められていることは当然でありますが、どちらかといいますと、どうしても女性はそういう場がまだまだ少ないのが現実ではないかと思います。  鹿角市の場合も、各種の委員会、審議会の委員の状況を見ても、女性の社会進出の状況を考慮したものになっているとは言えないのではないかと考えているわけでございます。  そこでお伺いいたしますが、鹿角市が法律、条例等により設置している委員会・審議会等の女性委員の比率はどのようになっているのか。今後、女性委員の選任についてどう考えておられるのか。また、新たな提言をいたしますが「女性模擬議会」を年間何回か定例的に開催する考えがないのか。識見ともに優秀な女性の人材は多数おられるので、模擬議会等で提言されたものを庁内に検討会を設け、よいものはどんどん取り上げ実行に移し、もって行政運営の参考にすべきと思うがどうか。さらに女性の市政全般への参画について、今後どのように進める考えかお伺いいたします。  次の問題について、鹿角組合総合病院の移転後の跡地利用についてお尋ねいたしますが、先般来、各議員から病院の跡地の利用についてそれぞれ質問がありましたが、私は私なりの考え方で今ご提言を申し上げてまいりたいと思います。  鹿角組合総合病院は平成14年秋のオープンを目指して、移転改築工事が進められることになっており、この跡地を市が必要としない場合は、早目に連絡してもらいたいと厚生連から言われていると伺っております。跡地の利活用についてはさまざまな考えがあると思いますが、中心街にまとまった広大な土地を、しかも国道沿いに確保できる、またとない絶好のチャンスであることは異論のないところだと考えます。  ご承知のように、中心街の空洞化は全国的に大きな問題となっており、国においても関係11省庁連絡会議を設置し、本年1月に「中心市街地開発活性化のための総合的対策」を打ち出しております。本市においても、中心街の空洞化は年々激化し、総合的かつ抜本的な施策の立案と、積極的な事業の展開が必要となっております。病院の移転後、もし空き地として何年も放置されるようなことになれば、鹿角市の顔である市街地の空洞化をより一層拡大することになります。  地域社会にとっても大きなマイナスとなります。  また、一方においては、高齢化社会の到来により、高齢者の抱える特有の問題も解決できる住宅の確保は、全国的にも大きな課題になっております。  このような状況認識の上に立って私見を申し上げてみたいと思いますが、私は組合病院移転後の跡地は市が取得して、高齢者が日常生活する上で便利なこの場所に、健康な人も障害を持つ人も安心して住める快適な高齢者向け住宅を建設すべきと考えております。これを単に、市民向けに建設するということでなく、広く全国にPRしながら入居者を募るということにより、定住人口の拡大を図る手段としても計画できないかということであります。もし、全国からの入居者を呼べれば、その者の家族や友人も鹿角市を訪れることになります。  このためには、入居者を呼べる魅力のあるまちづくりであります。幸い、本市は平場でも相応の深さのボーリングをすれば温泉を確保できる可能性が高いので、まず温泉を確保し、障害を持つ人に対してはそれなりの設備を備え、介護サービスも提供できる住宅にして、相応の家賃をいただくという方式で実施できないものかどうかと考えております。この種の施設としては、リゾート地に温泉つきをキャッチフレーズに建設しているものが見受けられますが、従来のものは一部の高額所得者向けのものであり、私は一般庶民レベルでも入居できるものを建設することを提言するわけであります。ちなみに、現在の病院には通院、見舞い客など訪れる数は1日 1,200人ないし 1,300人、多いときは 2,000人も出入りしていると聞いております。その人数にかわるにぎわいを確保することにより、中心街の空洞化を防止できないものかということであります。  この病院跡地と「あんとらあ」・「道の駅」までの連携及び商店街通りを結ぶ道路、歩道の整備を考えたまちづくりを並行して進めることであります。歩道には花や樹木を植栽し、一定の区間に小公園を設けそこにベンチを置き、ところどころに歌碑や句碑を配置し、施設入居者ばかりでなく市民も楽しみながら疲れを感じることなく散策ができる、ショッピングのできるまちづくり、一言でいえば「造園観光文化都市」とでもいう「まちづくり」の提言をいたしたいと考えております。  このように「住宅」と「まちづくり」をセットにして進めることにより、入居者が商店街にも散策や買い物のために足を向けることになり、また、途中にある「観光市場」にも好影響をもたらし、中心街の空洞化防止高齢者対策につながるものと考えております。市としても立地条件を生かした特色のある「まちづくり」をすべきでないかと思います。私みずから提言しながら、市長のご所見をお伺いするものであります。  三つ目に、行政サービスの向上に関してお尋ねいたしますが、行政サービスを向上させるための基本的なテーマは、いかに収入を確保し、いかに支出する経費のむだを省きながら財源を確保し、より多岐にわたる行政サービスを展開し、市民福祉の向上を図るかということであります。  島根県の元出雲市長の岩國哲人氏は「行政は最大のサービス産業である」と言っておりますが、そのサービスをするためにも基本となる財源の確保が必要であります。  この観点で鹿角市の現状を考えてみるに、市税収入は平成8年度の決算で37億円であり、歳入全体の19.7%にすぎず、市民1人当たりの市税収入額は、最高の能代市の14万円に比較し、6割程度の9万円で、県内9市中の最下位となっております。また市民所得についても、平成6年度の市民1人当たり所得は 252万円で、県内市町村の中では15位にとどまっております。このことは、本市産業の脆弱さを象徴しているものであります。既存産業の活性化と新規企業の誘致による経済活動の活性化に本腰を入れて取り組む必要があることを、如実に示しております。  それからまた、支出する経費の無駄を省くという問題についてであります。今後、介護保険を初めとする新たな行政需要に対応していくためにも、徹底した投資効率の向上に取り組み、その財源を生み出していかなければならないと考えております。  このためには、市が設置している行革推進本部や、市民の参画による客観的な立場から見た行政改革も徹底して進め、行政コストの低減と職員のコスト意識を高めていくことが重要だと考えております。特に、市職員に徹底したコスト意識を植えつけていくことは、何よりも肝要であります。三重県や岩手県では、行政サービスや公共事業の効果を数値で評価するシステムを導入することにより、職員に常にコスト意識を持たせ、効率的な行政運営を図ろうとしていることが大きく報道されております。また、このような客観的な評価をしながらコストの引き下げを図っても、なお、民間に勝てない業務は出てくると思いますので、民間に委託すべきものは民間に委託して、新たな財源を生み出しながら市民福祉の向上を図る必要があります。民間と行政の事業コストについては、「地方自治経営学会」が平成6年から7年にかけて調査した結果を公表しておりますが、それによると、民間は行政の5割から1割程度のコストで事業を実施しているとのことであります。
     そこでお伺いいたしますが、行政サービス向上のために、自主財源としてウエートの高い自主財源の主である市税の収入額を拡大させる基本的な施策として、地域産業の活性化と企業集積の拡大のための、インパクトの強い施策が考えられないかどうかお伺いいたします。また、投資効率向上のために、職員へのコスト意識をどのような手段で定着させていくのか。さらには、民間に委託すべき業務として検討しているものは何かをお伺いいたします。  以上、私の一般質問を終わりますが、冒頭申し上げましたように私の質問の中には、これまでも何回か議会で取り上げられた普遍的な課題もありますので、インパクトの強い市長の英断を持ったご答弁を期待するものであります。先ほども前段で申し上げましたように、「あれもやれこれもやれ」といっても「ローマは一日にして成らない」。ただ目標に向かって前進すること、これを願って私の質問を終わります。  非常に、今風邪を引いているので聞き苦しい点もあったことと思いますが、ご容赦願います。  ありがとうございました。               (26番 高杉英次郎君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。               (市長 杉江宗祐君 登壇) ○市長(杉江宗祐君)  高杉英次郎議員のご質問にお答えします。  初めに、鹿角組合総合病院の移転後の跡地利用についてでありますが、この問題は土地活用と同時に、中心街の空洞化をいかに防止するかという視点でとらえなければならない問題だと考えますので、高杉議員のご指摘は、この点で貴重な示唆をいただいた提言であるというふうに考えております。鹿角組合総合病院ばかりでなく鹿角警察署などについても同様でありますが、その施設個々の設置運営者は、現在の車社会に対応した駐車場の確保とあわせ、高度な市民サービスを提供するためには相応の機能・設備を備えなければならないため、結果として物理的に現在地での改築が困難となっており、適地に相当の土地を求める、移転改築という手法をとらざるを得ない状況となっているわけであります。  したがいまして、今後の課題は、これらの跡地が「単なる空き地」として何年も放置されることのないよう、跡地を一つ一つ他の施設で埋めていくことを計画的に実現していかなければならないものと考えております。この場合に、すべて市みずからが施設を設置するということでなく、基本的にその土地の所有者が跡地をどう活用するのか、また、他の公共施設や民間活力の活用も視野に入れながら、どのような施設がその跡地にふさわしいのかも考えながら計画しなければならないものと考えております。  また、これらの跡地利用など、今後の「まちづくり」がどうあるべきかという問題については、鹿角市商工会が設置している「魅力あるまちづくり懇談会」においても、昨年来、議論を重ね、病院跡地の利用について高杉議員がお考えのような計画を提言しておられます。内容は昨日も申し上げましたが、「医療施設や商業施設も併設した高齢者住宅」となっておりますが、温泉つきで全国からも入居者を呼べる「高齢者向け住宅」を建設し、定住人口を拡大するというコンセプトの提言であります。  しかし、この病院跡地を市が取得するとなると、取得の方法にもよりますが多額の財政負担が必要となりますので、さきに申し上げた土地所有者の利用の可能性、民間活力の活用などの問題も含めて今後、市民や議会の広範なご意見も拝聴しながら、さまざまな角度から検討していかなければならないものと考えております。  次に、病院跡地から「あんとらあ」あるいは商店街への「道づくり」についてでありますが、道路を単なる車や歩行者の動線としてではなく、休息の場、遊びの場、交流の場としてもとらえ、これらの機能を付加しながら、病院跡地ばかりでなく、今後に計画している(仮称)「生涯学習センター」、既存の商店街や定期市場などを有機的に結びつけるため、散策しても楽しく、疲れを感じないでいつの間にか商店街におり、あるいは「あんとらあ」に来ていたというイメージを念頭に置いた「道」をつくりたいと考えております。  計画するに当たっては、当初から市民の参加をいただき、つくられたものを行政と市民総ぐるみで常に良好に維持し、管理していくシステムも同時につくり上げていくことが必要であると考えております。  次に、行政サービスを提供するための基本財源である市税収入を拡大させるため、既存産業の活性化と新規企業の誘致のため、インパクトの強い施策を考えられないかということについてでありますが、そのために国では今、新たな分権型社会の創造に向けて検討しております。  本市の税の内容を見てみますと、固定資産税が約50%を占めており、法人税は約10%であることからも、産業の弱さをあらわしていることは事実であります。これからは、かつてのような大きな経済成長は望めないという見通しの中において、いかにして地域経済の活性化を図ればよいのかということになります。  これまでもオイルショック等何回かの経済不況があり、その都度国と地方が共同して公共事業の発注をふやすなどして対応してまいりましたが、現下の経済情勢は構造的な不況であり、短期的あるいは局所的な施策では効果があらわれにくいという判断をしており、国では21世紀を切り開く緊急経済対策として、幅広い対策を打ち出しております。対策としては、規制緩和を中心とした経済構造改革、土地の取引活性化・有効活用、中小企業対策、科学技術の振興、市場アクセス改善の加速化、税制の見直し、民間活力を活用した社会資本の整備などであります。  市といたしましては、これまでも農業構造改革、商店街近代化事業、観光対策事業等産業の高度化に向けて施策を展開してきたところでありますが、これからの地域経済活性化対策として、基本的には次のような対策が必要と考えております。  空洞化対策としての企業化支援、中堅企業育成、地場産業の振興、誘致企業の地場産業化、既存産業対策としての資源のフル活用体制、技術・開発力の向上、まちづくりと産業政策としての居住環境・文化・教育・遊びと産業の連携、共通の問題意識を形成する基盤としての、若手経営者の組織化と活動、自主的なグループ活動の支援、雰囲気づくり等でありますが、経済の枠組みが大きく変化した現在、業界と行政、各機関が一体となり取り組まなければならないと考えております。  次に、職員へのコスト意識についてでありますが、地方分権や行政改革が進展していく中で、行政みずからの「自己決定」と「説明責任」が重要でありますが、行政改革の出発点は、住民の意思すなわち行政需要の把握、職員の意識改革、事務事業の見直しの三つであると考えております。  近年、三重県などの事務事業評価管理システムを導入している先進的自治体においては、公益法人が開発した事務事業目的評価システムにより、行政サービスや公共事業の効果を数値で評価した上で予算査定を実施しており、マスコミ等で注目を集めております。このシステムは、予算編成の基礎資料となる事業目的、立案の過程、達成度や費用対効果などの評価を記した「事務事業目的評価表」を担当職員みずからが作成し予算編成時の検討資料にするとともに、これを住民に公開することで政策形成過程の透明化を図るなど、職員の事業効果への自己採点能力の向上と納税者に対する説明責任を果たすことをねらいとしたものであり、三重県独自の格子型予算編成方式と併用することで、いわゆる縦割りや前例主義を排除し、予算効率化といった成果が上がっていると伺っております。  しかしながら、基本的に事務事業の質や内容が異なる県レベルと市町村において、当該システムを用いた事務事業の適否の判断基準となる成果指標を設定する場合、ハード事業については、達成率という視点で現状把握ができるものの、ソフト事業等では「住民の視点からの満足度」という相対的なものを達成率とせざるを得ず、指標化が困難なものも多数あるとも伺っております。導入に当たっては、システム自体を委託契約の形で購入しなければならないことや、事務事業の特性を考慮した評価体系の作成手法、また、庁内の事務事業評価システムの推進・運営・定着化のための体制づくり、また、予算決定プロセスの透明性を高める体制づくりなど検討していかなければならない課題が多々あります。  こうした点を踏まえ、私自身の姿勢はもちろんのこと、職員一人一人がコスト意識を持って、日常の業務を行っていこうとする全庁的環境づくりこそ、行政改革推進の基本であるとの認識を持っておりますので、より一層の人材育成や職員研修の充実を図りながら、第4次鹿角市行政改革大綱を積極的に推進してまいります。  次に、今後の民間委託を計画している業務についてでありますが、本市では昭和56年に行政改革推進本部を設置し、行政改革の推進に着手して以来、行政改革大綱の主要課題である事務事業の見直しの項目の中で、継続的に「民間委託の推進」を掲げてきております。現在までに民間委託を行ってきた主な事務事業の具体例を申し上げますと、生活改善センター、コミュニティセンター、また庁舎管理のうち警備・清掃等の業務委託、支所と保健センターの複合管理の推進、シルバー人材センター等への事務委託、除雪作業の民間委託の推進、記念スポーツセンターやアメニティパーク、花輪スキー場の管理運営委託などを行ってきております。平成10年度は、児童館の自治会への譲渡、鹿角市総合運動公園の財団法人鹿角市スボーツ振興事業団への管理運営の委託、大湯温泉振興プラザの大湯温泉観光協会への管理運営の一部委託を計画しております。今後は、保育園の委託や公用車両並びにスクールバスの民間委託、さらには児童館の委譲など、コスト削減による効率的な行政運営を図るため、行政改革大綱に未掲載のものについても民間委託すべき事務事業であると判断される場合には、積極的に推進してまいりたいと思います。  なお、教育問題のご質問につきましては、教育長が答弁いたします。               (市長 杉江宗祐君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  教育長。               (教育長 淺利 忠君 登壇) ○教育長(淺利 忠君)  私から、高杉英次郎議員の教育関係のご質問にお答えします。  初めに、委員会の女性の登用についてでありますが、法律により設置している委員会は13委員会であり、女性の登用は7委員会となっております。また全体では、定数 279人中、女性は76人で、登用率は27.2%であります。条例・規則・要綱等により、市町村が独自に設置している委員会は19の委員会がありますが、女性登用は13委員会です。全体では、定数 194人中、女性30人で登用率は15.6%であります。各委員会のうち、女性の登用率の高い委員会は、図書館協議会50%、民生児童委員48.4%、教育委員会・社会教育委員は40%で、全体では、 497人中 106人で、登用率は21.3%と、全県的にも高い登用率となっております。なお、今後も委員改選期には積極的に女性登用を図るよう配慮してまいります。  また、「女性模擬議会」の開催については、行政主導ではなく、女性団体等の自主的な取り組みを期待しているところであります。  女性の市政参画をどのように進めるのかについては、女性の自治意識の高揚を図る事業、男女参画シンポジウム、女性の人材育成事業の開催等を通じ、市政参画の醸成を図るとともに、女性みずからがいろいろな場面で市政に対し積極的に意見、提言ができる環境の整備に努めてまいります。  なお、「男女共同参画社会」の実現に向けては、当市においても重要課題としてとらえ、平成7年度から「男女共同参画社会推進懇談会」を設置し、方向づけを検討願っているところであります。               (教育長 淺利 忠君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  再質問ございますか。高杉君。 ○26番(高杉英次郎君)  総合病院のことですが、平成14年にオープンを目指して進めている、そして厚生連からは、この跡地を市が必要としない場合には早目に連絡をしてもらいたいと、こう聞いておりますけれども、市が買う意思があるのですか、どうですか。これをお聞きしたいと思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  総務部長。 ○総務部長(勝田 尚君)  鹿角組合総合病院跡地につきましては、きのう来、答弁で申し上げておりますように現在検討しておる状況でございます。跡地をどうするかということについて検討している段階でございます。したがいまして、現在この空き地について、買うとか買わないとかというふうな現在の検討の段階ではございませんので、ご理解を賜りたいと思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  高杉君。 ○26番(高杉英次郎君)  いずれにいたしましても、質問でも申し上げましたが、国道沿いの広い面積1町5反歩ですか、莫大な面積でありますので、それを利活用をいかにして高めてまちの連携を図りながら活性化していくか、これは大事な問題だと思います。何回も申し上げますけれども、ローマは一日にして成らない。莫大なお金もかかります。努力もしなければなりません。しかし、それに向かって積極的に取り組む市長の姿勢を期待するものであります。後退してはなりません。どんどん進めるように頑張ってください。  そうして、これは単なる私の提言でありますけれども、いろいろ皆さん、執行部との考え方が違う場合もあろうかと思いますけれども、ああいう立地のいいところの、そういう施設をやったら、これはやっぱりただというわけにはいかないから、応分の料金を、使用料を取りながら、そうして市の方の財政的な支援にもなりますし、また入る人方もいろんな恩恵を受けるということになるような、そういう方向で検討を進めてもらいたいと思います。本当にこれはもうチャンスでありますから、大いに頑張ってください。  それからもう一つは財政でありますけれども、自主財源と依存財源、私は特定して市税だけ申し上げましたけれども、ざっと見ましても、依存財源の特に交付税、これなんかに頼るあれは非常に大きいわけですけれども、やはり地元の地場産業なり、あるいは特殊産業が伸びないということに起因していると思います。もちろん人口も少ない、働く場所も少ない、生産が上がる場所も少ない、それでこういうふうな結果が出てまいると思います。ただ、今は国が減税政策をとっておりますから、それも若干影響があると思いますけれども、まず自主財源として27%や28%では余りにも寂しい限りであります。したがって、あとのほとんどは、70何%というものは外部から依存しなければならない、こういう脆弱な財政構造であっては、これからのいろんなことを考えてもやれない。だから、もとをやれるような、そういう財政づくりのために基盤産業を築き上げていかなければならないと思いますから、そういう点で配慮しながら市長は努力してください。あと、私の時間は終わります。 ○議長(佐藤洋輔君)  以上をもちまして、高杉英次郎君の質問を終わります。  次に、順位6番、小田切康人君の発言を許します。小田切康人君。               (4番 小田切康人君 登壇) ○4番(小田切康人君)  平成10年第2回鹿角市議会定例会の開催に当たり、私は市民の声を市政に反映するため、拓進会を代表し、一般質問を行います。  初めてでありふなれでありますので、市長初め執行部の皆様、議会の諸先輩議員の皆様のご教示とご指導をよろしくお願い申し上げます。  それでは通告の順に従って、質問をしてまいります。ただ、昨日の一般質問と数項目重複しておりますが、私は私の観点から論じたく、予定どおり進めてまいりたいと思います。  まず初めに、21世紀の都市づくりの課題は何かについてお尋ねいたします。なぜこのような質問をするかと申しますと、私はかねがね鹿角市の都市形成の上で、「市の本当の中心はどこか」また「市の成立背景はどうなのか」、また「市はどこに向かって進むのか」という、素朴な三つの疑問を持っていたからであります。都市を形成する上で、その方向性を示す都市づくりの「青写真」は大変重要な意味を持つものであります。平成9年3月、市は秋田県新総合発展計画後期計画、第4次鹿角市総合計画後期基本計画などを上位計画とした、本市都市計画の基本方針である「鹿角市都市計画マスタープラン」を策定いたしました。そこでお尋ねいたします。  第1点は、都市づくりが最優先なのか、まちづくり、すなわち地域づくりが最優先なのかということであります。鹿角市の本当の中心はどこになるのかということであります。  第2点は、広域合併をした鹿角市でありますが、現実に分散されている旧町村単位の生活圏にどのような特性を持たせ、整備、開発し、融合させていくのか。  第3点は、2010年、鹿角の人口は3万人を割ると断言する人もおりますが、急速に進む少子・高齢化の人口減が、当市が目指す都市計画の構造にひずみを来さないかということであります。  鹿角市が誕生し25年がたちました。少しずつ都市機能が備わり都会らしさも出てきましたが、市民の意識の中には、まだ旧町村単位の「住民意識」が根強く残っており、精神的な鹿角の中心を定めることができずにいるような気がしてなりません。新時代の21世紀を迎えるに当たり、旧態依然とした古い住民意識を捨て、新しい市民意識を確立することが肝要であり、それが鹿角市の未来の都市づくりの最重要課題であるように思うのであります。  次に、中心商業地の再生、いわゆる「街部の空洞化」についてお尋ねいたします。  2月14日付の秋田魁新報が「本県に超大型ショッピングセンター構想」と、テーマパークを核にした外資系の超大型ショッピングセンター進出の話題を第1面トップで報じておりました。次世代型ショッピングセンターと呼ばれるもので、開発面積が25万平方メートルとけたが違い、規制緩和に端を発した大型ショッピングセンター競争も本格化し、いよいよグローバル化したという実感が否めません。私は、数年前アメリカのミネソタ州で、この実物とも言える「モール・オブ・アメリカ」というショッピングセンターを見てきました。まさしく、発想的にもスケール的にも既存の大型店やロードサイド店が太刀打ちできるような代物ではありません。少し大げさにわかりやすく言えば、ディズニーランドを真ん中にして、花輪の街をすっぽりそのままショッピングセンターにしたようなものです。今後、この日米共同グループは、このスケールのものを日本国内 180カ所に建設する予定だそうです。  昨年、ジャスコの会長でもある岡田卓也日本ショッピングセンター協会会長は、全国大会で、「21世紀に向かい、新しいニーズに対し新しい商業施設がこれからつくられる。日本における商業施設は陳腐化し、すべて過去のものになる」と断言したそうであります。現在、アメリカにはショッピングセンターが4万カ所にあると言われ、その結果、商店街と名のつくものは一部の大都市を除いて、ほぼ壊滅したと言われております。ある学者は、日本の人口はアメリカの半分であるから、今後全国2万カ所にショッピングセンターができるだろうと予測しております。現在日本には1万 8,000の商店街があり、 2,400のショッピングセンターがあります。足すと、ほぼ2万カ所であります。経済の発展パターンを見ても、日本はアメリカを5年から10年のタイムラグで追っていますので、10年後の商店街のあるべき姿が、いともたやすく想像ができると思います。そこで、お尋ねいたします。  第1点は、市長はこうした大型ショッピングセンター進出の脅威と不況にあえぐ市内各商店街の状況をどうとらえ認識しておられるのか。また、市役所周辺に中心機能を集積することについては、中心商業地を二分すると批判があります。  第2点は、仮称「コミュニティプラザ」予定地は中心商店街のど真ん中にあり、いつまでも空き地にしておくことは、行政みずからが大きな空き店舗をつくっているようなものです。早期に対応すべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。あわせて、移転後の鹿角警察署跡地、鹿角組合総合病院跡地、まちづくりの近代化が完全に取り残されている上花輪地区の活性化問題も含めながら、どう対策を講ずるのかお考えをお聞かせください。  第3点は、空き店舗対策についてであります。おくればせながら、国は「商店街活性化先進事業」を、また県は「商店街空き店舗対策事業」を平成10年度から実施するようであります。当市も当初予算の中に 600万円の計上があり、即効性の面で評価できるものとは思いますが、果たしてそれだけで万全でありましょうか。  私は、今日における地域経済は小規模店である地元商店街が支え、祭りや年中行事など地域の生活に密着しながら、町の歴史や文化をはぐくんできたと考えております。お年寄りから身近な買い物の場が奪われる。車で郊外に行けない障害を持つ人たちへの配慮など、また、閉店や失業問題など商店街の衰退と街部の空洞化は、伝統や文化の崩壊のみならず、暮らしを根底から揺るがすゆゆしき問題であります。都市づくりやまちづくりの観点からも、政治の力で対策を講じ責任を持ってリードしていくべき問題であると考えておりますが、いかがでしょうか。  次に、仮称「生涯学習センター」と新図書館建設問題についてお尋ねします。  当市は、スポーツ施設の充実に比べ文化施設は皆無に等しく、情報化社会への移行と多様な生涯学習が望まれているにもかかわらず不測の事態を招いております。特に、図書館を機能の一つと位置づける仮称「生涯学習センター」建設事業は、多くの市民が望むところであり、杉江市政が政治生命をかけた懸案事項でもあります。しかしながら、長引く不況と財政難の今日、この状況下での事業の推進には、「なぜ」という疑問の念を抱かざるを得ないのも事実であります。本来、こうした箱物は政策が優遇されていたバブル全盛期に行うべきものだったのであり、施策の実行に怠慢があったと言われても仕方がありません。そこで、お尋ねいたします。  第1点は、市民は文化のシンボルとして「生涯学習センター」の建設を強く望んでおります。  しかし、反面では財源的に本当に大丈夫なのかと心配もしております。ここで問題なのは、賛否を含め再度さまざまな声を聞き、建設準備の過程に多くの市民の声を反映させるべきではないかということであります。  第2点は、仮称「芸術文化振興事業団」の設立は、その運営団体と考えてよいのでしょうか。  第3点は、これは私の願いであって誤解を招かないでいただきたいのですが、本市にとり今世紀最後で最大の事業であり、推進に当たっては景気浮揚対策の一環として、なるべく多く地元の企業に仕事を与え潤いを配慮していただきたいということであります。外から市内に入るお金は5回転すると言います。逆は、それだけの流出を招くもので、このことは強く希望いたしておきます。  次に、鹿角の教育行政は万全かについてお尋ねいたします。  文部省は、このたび完全学校週5日制と新学習指導要領の実施時期を前倒しし、2002年度から実施する方針を固めました。この背景には、神戸市の連続児童殺傷事件などにその端を発した、相次ぐ少年犯罪に憂慮し「心の教育」の大切さを強調し、その中でゆとりある教育を見直そうというねらいがあるように思われます。教育の現場では、子供との世代間のギャップや常識、価値観の差に、子供の気持ちがわからず苦悩する教師たちの姿が浮き彫りにされた調査もあります。  そこでお尋ねいたします。  第1点は、少年犯罪に見る「情緒教育」の欠落を憂慮する。なぜ今ごろ心の教育なのかということです。私たちが子供のころは学校に道徳という時間があり、人としてあるべき姿や人間としての最低限のルールを教えてくれました。情緒教育も豊かであり、本当によき時代でありました。現代人は我々も含め、物質的に豊かになった分どこかに心を忘れ去ったような気がしてなりません。人の痛みや人を思いやる気持ち、人間が最も人間らしい優しさの部分の欠落は、現代教育の最大の欠点であります。ビデオやゲームソフト、パソコンなど、血の通わぬ機械が一番の友達である現代の子供たちの心が見えません。実際の教育現場での情緒教育はどうなっているのでしょうか。  第2点は、地域の伝統行事に見る情緒教育の効果についてであります。私は、花輪ばやし、花輪ねぷた、花輪町おどりなど地域の民俗芸能に携わりながら、伝承活動の中で、地域の大人たちが地域の子供たちを見事にしつけ育てていく姿を長く見てきました。心を伝えるという部分で大切なものがあるように思うのですが、教育現場の中ではいかがでしょうか。  第3点は、今回の3月定例議会冒頭の教育委員長の教育方針の演説の中身は、美辞麗句が目立ち現実味が全く感じられず、逆に、鹿角市の教育行政は万全ですかという質問になってしまいましたご無礼をお許しください。本当に万全ですか。市内小中学校の少年犯罪の実態を数字でお示しください。  次に、本市の文化財保護行政に偏りはないかについて、お尋ねいたします。  第1点は、史跡発掘整備事業だけが中心になる余り、ほかの民俗文化財の保護や育成、伝承活動への助成がおざなりになっていないか。  第2点は、文化財指定が仕事の市文化財保護審議会が、文化財の指定解除が仕事になっている現実をどう認識しているか。昨年は2件が指定解除になっておりますが、育成や助成の姿勢に問題があるのではないでしょうか。  最後に、杉江市長の政治姿勢として、時代の流れとともに来るべき地方分権と小坂町との合併問題も含め、その可能性があるのかないのかを交え、広域行政への思いの一端をお聞かせいただければと思います。
     大変つたない質問ばかりではありましたが、初めてのことでありご容赦願いながら、以上をもちまして私の壇上からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。               (4番 小田切康人君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  ただいまの質問に対し、答弁を求めます。市長。               (市長 杉江宗祐君 登壇) ○市長(杉江宗祐君)  小田切康人議員のご質問にお答えします。  初めに、「都市づくりに当たって、鹿角市の中心はどこか」ということについてでありますが、平成9年3月に策定した鹿角市都市マスタープランの中に、お尋ねの方向づけが示されております。  本市の将来の都市構造としては、一つの軸として、北から毛馬内地区、錦木地区、花輪地区、尾去沢地区及び鹿角八幡平インターチェンジからアクセスする現在流通施設の立地している場所までとしております。  また、マスタープランの中では四つの核を掲げておりますが、このうちの1点目は、花輪地区、尾去沢地区を一体的に整備を図る地区を「中心地区」としているものであり、2点目は、毛馬内地区と錦木地区を一体的に整備を図る地区を「地域中心地区」としております。3点目と4点目は、大湯地区及び湯瀬地区のことでありますが、このように四つの核という形でそれぞれ区分をし、位置づけているものであります。  お尋ねの「鹿角市の中心はどこになるのか」については、都市マスタープランの中で「中心地区」と位置づけている花輪、尾去沢地区が本市の中心ということになろうかと思います。  また、都市づくりとまちづくりの順位については、本市における都市構造は、四つの核から成っており、それぞれの地区において既存市街地の都市基盤の整備、いわゆる街路事業や土地区画整理事業、さらには公園事業、下水道事業などの推進を図っているところであり、あえて都市づくり、まちづくりのどちらが先かということはないと考えますので、ご理解を賜りたいと思います。  次に、「旧町村単位の生活圏にかかわる、整備、開発そしてどう融合させるか」についてでありますが、中心地区である花輪、尾去沢地区に、市役所等官庁ゾーン及び鹿角八幡平インターの立地する地区を加えた地区を本市の行政、文化、諸活動の中心として位置づけております。地域中心地区である毛馬内地区、錦木地区は国道 282号と 103号が交差し、本市にとっては東西南北の交通の結節点として、かつまた歴史、文化を兼ね備えた地区として位置づけております。大湯地区は自然と観光と住宅が調和する住宅地として、また湯瀬地区は温泉を中心に本市の観光、レクリエーションの地の玄関口として、それぞれ位置づけているものであります。  次に、「2010年の鹿角市の人口動向と都市構造の関連」についてでありますが、本市の人口は平成2年以前まで減少傾向が著しかったものの、その後、定住化の促進事業等により、徐々に人口減の抑制が図られております。ちなみに、条例制定前は年間約 430人前後の減少が、制定後は年間約 190人程度に抑制されております。しかし、このような人口の減少傾向は、都市づくりの推進のみならず、あらゆる分野にその影響が及ぶことはご指摘のとおりであります。都市計画事業の実施に当たっては、それぞれの地域に各種事業の展開を図っているところでありますが、本市における都市としての整備度合いを図る意味合いからいえば、ご質問の古い住民意識は徐々に薄れてきているのではないかと考えております。いずれ人口減は、都市計画事業の施策に大きな影響を及ぼすことは必至でありますので、都市基盤の整備促進により都市機能の充実を図るとともに、土地の高度利用、観光開発による観光産業の振興、高度情報化等、諸施策の推進により、こうした問題の解決を図ってまいりたいと考えております。  次に、中心商業地の再生、いわゆる「街部の空洞化」についてでありますが、21世紀を迎える日本の商業は、ご指摘のとおり外資系のショッピングセンターの進出により、そのありさまが大きく変わるものと考えられます。大規模小売店舗法は昭和49年3月に施行され、幾多の変遷を経てきましたが、特に、平成6年5月から規制が緩和されたことによって、大型店の地方進出に拍車がかかり今日に至っております。本市においても、サンデーを初めとして郊外への大型店の進出は著しいものがあり、今後も、いとく鹿角ショッピングセンターが旧丸水跡地に建設される予定であり、また情報によると、ジャスコも進出する見込みと聞き及んでおります。こうした大型店の進出は、消費者サイドからすれば歓迎されるべきものと考えますが、既存の小売店にとっては大きな痛手となるものと認識いたしております。  したがって、苦境に立たされている既存小売店の打開策として、ソフト、ハードを含めて関係機関等と協議、検討はしているものの、打開策を見出すことができずにおる実情にあります。  六日町の都市計画街路事業については、六日町町内会との協議を行っておりますが、できるだけ早期に事業着手できるよう国、県に働きかけをしてまいります。また谷地田町については、目下、都市計画街路事業が進行中でありますが、これにあわせて、地元商業者を中心に核店舗の立地に向けて事業推進中であり、立地箇所の用地確保、テナント入居者の確保のほか、資金調達面について関係機関等と協議中でありますので、その推移を見ながら、行政としての及ぶ範囲での対応をしなければならないものと考えております。  次に、仮称「コミュニティプラザ」予定地についてでありますが、当初はまちのにぎわいを図るため、若者が集うコミュニティーの場として「ヤングアフターコミュニティプラザ」を建設する予定でありましたが、事業の方向転換を余儀なくされたことに伴い、現在は空き地となっております。この用地の利活用については種々検討をしておりますが、同街区で進めております谷地田町商店街近代化事業絡みの核店舗立地とのかかわりもありますことから、いましばらく時間をいただきたいと存じます。  次に、官公庁の移転は、中心商業地を二分してしまうのではないかとのご質問についてでありますが、鹿角警察署や鹿角公共職業安定所は、社会経済情勢の激変に対応した市民サービスの向上を図り、特に、車社会の到来に対応した駐車場の確保や、多岐にわたる行政サービス向上のためには、建物やその他の用地に相応の規模の用地が必要であることから、現在地での改築は不可能であり、どうしても移転改築せざるを得ないという結論に達したものであります。移転改築に当たっては、それぞれの施設の設置者が単に地価が安いことなどを理由に個々ばらばらに移転されれば、本市のまちづくりという視点から考えた場合、大きな問題が残り、また市民サービス向上のためには、官公庁が1カ所に集約化していた方が市民が用事を足す場合に便利であるということもあって、官公庁集約化事業を実施したものであります。  この官公庁の移転と、郊外の地価の安価な場所に消費者のニーズに対応して、広大な駐車場を備え、ワンストップショッピングをねらった大型店が立地することとの因果関係は弱いものと考えます。現実に、他市においても、また花輪中心街の南部においてもそうですが、官公庁の有無にかかわらず地価の安価な郊外に大型店が進出しておりますので、官公庁が商業地を二分させているという見方は、必ずしも的を射たものではないと考えております。  次に、官公庁の移転跡地や組合病院の移転跡地の利活用についてでありますが、この問題については大里議員、高杉議員のご質問にも答弁しておりますが、官公庁や病院の移転が中心街の空洞化をもたらすことは現実の問題でもありますので、これらの跡地については、その場所に何が一番ふさわしいのか、幅広く市民や市議会の意見もお伺いしながら、一つ一つ跡地を埋めていく努力を続けていかなければならないものと考えております。その場合、第一義的には、土地の所有者が地域に貢献できる何らかの代替施設を考えられないのか、さらには、民間活力の導入による有効な再利用ができないのかなどについても検討しなければならないものと考えておりますが、鹿角警察署跡地については、市民意識調査でも公的住宅への要望が強いため、県に対し検討を要望しております。  鹿角組合総合病院跡地の利用につきましては、商工会が設置している「魅力あるまちづくり懇談会」において「医療施設や商業施設を併設した高齢者・障害者住宅」を提言しておられ、また本日も高杉英次郎議員からは「全国からも入居者を呼べる温泉つき高齢者住宅」を提言されましたが、前段で申し上げましたように、土地の所有者の再利用の可能性、民間活力の導入なども考えながら、施設の内容・開発手法等について幅広く検討してまいりたいと考えております。  次に、空き店舗対策についてでありますが、近年における大型店の郊外進出は商店街に影響を及ぼしてきておりますが、商店街は地域文化の情報発信地でもあり、かつ、まちづくりの礎として大きな役割を果たしてきておりますので、今後においても、こうした経緯を重んじ関係諸団体の意向を踏まえ、街区形成の維持発展に努めなければならないと考えております。  次に、地方分権と広域行政への思いについてでありますが、21世紀を見据えて、国が掲げた六つの改革の一つである行財政改革の大きな柱でもある地方分権の推進については、5年間の時限立法として平成7年に制定された法律に基づき、これまで地方分権推進委員会によって、大局的な観点から細部にわたる事項まで幅広く検討・審議されてきたところであります。これまで、機関委任事務制度の廃止、国・県・市町村の関係の新たなルールの確立、国庫補助の整理合理化と地方税財源の充実確保、地方公共団体の行政体制の整備・確立など、地方公共団体の自主性・主体性を高めるために必要な事項について、内閣総理大臣に対する4回の勧告がされております。  長引く経済不況、根本的に改善されていない東京一極集中傾向や、少子・高齢化社会の急速な進展の中で地方公共団体の財政力、活力は低下しており、この状況下で事務権限の移譲が実現し、新たな行政需要にこたえ、良質な住民サービスを維持もしくは提供していくことは、小規模な市町村においては極めて困難であることは明白であります。地方分権の推進は、受け皿となる地方公共団体の体力と能力を限られた時間の中で蓄えていくことであり、行政改革大綱の制定と進行管理、行政手続の適正化、情報公開制度の実施、法律や条例に基づいた直接請求や投票制度の創設の検討による住民参加の拡大等の具体的な方策により、実現化していくものと考えております。  この具体的な方策の一つとして、市町村合併・広域行政の推進が挙げられ、国は平成7年4月に合併特例法を改正し、市町村の自主的な合併を推進するという姿勢を明確に打ち出すとともに、合併に関する行財政上の特例措置を拡充しております。法改正の中で特に注目すべき点は、住民発議制度の創設であり、これは一定以上の住民の署名により、合併に関する議論の場である合併協議会の設置を請求することができる制度でありますが、制度創設以来、本年2月現在まで全国20地域においても54件の実例があり、このうち協議会設置に至ったものが6件、至らなかったものが44件、手続が進行中のものが4件という結果になっており、制度利用の動きは依然として衰えておりません。全国の市町村住民にとって、合併に対する地域の現状や意識に温度差があるとはいえ、広域行政推進のための重要な選択肢として、市町村合併という手法が大きくクローズアップしてきているものと考えております。市町村合併の目的は、地方分権推進の流れの中で、首都圏機能の移転に対する受け皿の確立や、高速交通体系の充実による共通連携意識によるもの、急激な過疎化の進展に伴う自治体消滅の危機感からの脱出によるもの、同一の都道府県内において県庁所在地に対抗する第2・第3のコア都市誕生を目指すものなど、多種多様であります。  市町村合併の当事者となる自治体は、旧来からの広域生活圏内にあって隣接しているケース、広域行政組合を通じて共通の行政事務を処理しているケース、歴史・文化・産業・教育等の自治体固有の特性で接点を有しているケースが、一般的となっております。これまで、地方拠点都市地域や広域連合など、市町村合併を視野に入れた構想が組み立てられ、本市も県北17市町村とともに連携を図りながら、新しい生活圏の構築と、多様化・複雑化する行政需要や、あきた北空港等の特定事業への対応を進めてまいったところであります。また、環十和田プラネット構想や縄文遺跡等に県域を越えて観光や文化を初めとする特定分野での共通項を通じて、地域連携方策を検討・議論する必要性が強く求められ、現在、北東北3県の特定市町村において、行政・民間が協調して交流を深めております。小坂町との合併については、長い歴史性に裏打ちされた産業・文化面の共通性、行政事務を共同処理してきた経緯、さまざまな地域連携構想への参画の一致など、新しい自治体誕生に向けての基本的な要素をお互いが備えているものと考えております。  しかし、合併を進めるに当たっては、それぞれの住民意識が最優先されるものであり、また、合併により不安視される旧来のコミュニティーの崩壊、議員定数と民意の反映度のバランス、緊密な行政サービス提供の低下、特例措置後の確実な自立性の確保など、多方面から慎重に検討すべき要素が多いことも事実であります。このようなことから、市町村合併については、民意の熟度をはかりながら、行政レベルでの広域行政のあり方を従来よりも踏み込んだ形で調査・研究する場が必要であるとの判断から、新年度早々に庁内プロジェクトチームを設置し、さまざまな角度からの検討を加え、高い次元での議論を行ってまいりたいと考えております。  なお、教育問題のご質問については、教育長が答弁いたします。               (市長 杉江宗祐君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  教育長。               (教育長 淺利 忠君 登壇) ○教育長(淺利 忠君)  私から、小田切康人議員の教育関係のご質問にお答えします。  初めに、(仮称)生涯学習センター建設準備の過程に多くの声を反映させるべきではないかとのことですが、これまでも、平成3年度鹿角市生涯学習センター建設懇談会の具申を初め、平成5年度・6年度の図書館建設調査会、平成7年度の鹿角市生涯学習センター建設問題等検討委員会で、市民代表の皆さんからさまざまなご意見をいただいております。これまでの意見を集約し、建設に反映していくことが今後の重要な作業になってまいりますし、可能な範囲で市民のニーズを重視した計画内容で進めてまいります。ネーミングについては、(仮称)生涯学習センターとしておりますが、今後一般公募等、市民の参加を考慮して、建物にふさわしい名称を検討してまいります。  また、仮称「芸術文化振興事業団」は運営団体と考えてよいのかとのことですが、鹿角市総合計画には、芸術文化振興事業団設立を支援する計画としております。これは(仮称)生涯学習センターの管理運営を効率的にできないかという選択肢の一つでありましたが、管理運営については今後検討してまいります。  事業発注を地元にとのことでありますが、建設工事の発注のみならず、市内から調達できるものは、できる限り市内からという方針でやってきたところですので、当事業の発注に当たっても、地元企業のことを十分に考慮してまいります。  次に、本市の教育行政についてでありますが、心の教育について、実際の教育現場はどうなのかをお答えします。  ご指摘のとおり、最近の相次ぐ少年犯罪の増加は、教育界のみならず社会全体の中で、大きな問題としてクローズアップされてまいりました。中央教育審議会も「次世代を育てる心を失う危機」と題して「心の教育」についての中間報告をしております。それらを要約しますと、子供たちの将来に向けての「生きる力」として、正義感や倫理観、思いやりの心など、豊かな人間性をはぐくむこととし、今まで学校教育の範疇で考えられてきたことを、家庭教育を含む大人社会全体の中で取り組んでいこうというものであります。  また、本市の教育現場の実態についてでありますが、「道徳の時間」は教育課程に位置づけられ、さまざまな価値観について学習をしております。しかしながら、子供たちの日常の遊びについては、私たちの育った時代と現代の子供たちとは、その内容や場所・時間など変化しており、それに伴い、子供たちの物の見方や心のあり方も微妙な変化をしてきております。こうした変化への対応については、学校だけで解決できない部分も多くあり、家庭や関係機関と連絡をとりながら解決をしてまいりました。  また、学校においては、子供たちとの触れ合いの場を多く持ちながら、子供たちを理解し、育てようとする態度で教育活動を展開しており、今後ともそうした姿勢で子供たちに接するように指導してまいりたいと思います。ちなみに、昨年1年間に発生した鹿角署管内の少年非行の実態は、万引きのほか自動車やオートバイを盗む事例も多く、しかも、数人で非行に走るケースが目立ち、非行で補導などされた少年は延べ30人で前年比8人増加し、深夜に歩き回ったり、喫煙、飲酒など不良行為で補導された少年は 367人で前年比 151人と、大幅に減少しております。  また、地域の伝統行事に見る情緒教育の効果についてでありますが、本来は、地域の大人がその地域に伝わる伝統を子供たちに伝えていくのが望ましいと考えており、実際には、市内各地にある数多くの伝統行事に子供たちが参加しており、その伝統を守り育てようとする心や体験することによって得た感動などが、子供の成長にとって大切なものと認識しております。  また教育方針については、時間的制約などで概要的な説明をいたしておりますので、一つ一つの具体的な内容がわからず抽象的であると感じておられるのかもしれません。しかし、教育方針は、それに基づいて実践していくことを前提として述べているものでありますので、ご理解いただきたいと存じます。  次に、本市の文化財保護行政についてでありますが、民俗文化財の保護育成につきましては、保存会等に対する市及び県からの補助金交付による支援や、社会教育機関における郷土史学習会、文化財伝承行事講習会、発表会等の開催、さらには文化財図録「鹿角市の文化財」を刊行するなどの施策を講ずるとともに、市民の文化財意識の高揚、啓発に努めているところであります。  また、文化財保護審議会が文化財の指定解除を行っている現状をどう認識しているのかということですが、ご承知のように文化財の市指定、解除につきましては、教育委員会が文化財保護審議会に諮問して決定することになっており、現在、市指定文化財は53件となっております。特に、平成9年度において、この中から天然記念物「下古川トゲウオ生息地」と無形民俗文化財「赤平稲荷神社先祓舞」の2件を指定解除しております。「下古川トゲウオ生息地」につきましては、環境の悪化からトゲウオが絶滅したことによるものであり、「赤平稲荷神社先祓舞」につきましては、舞手である子供の数が減少し、継続不可能という理由により、保存団体から指定解除の申請によるものであります。いずれの文化財につきましても、平成7年度から文化財保護審議会において協議を重ねるとともに、現地調査や保存会と継承方法について検討してまいりましたが、やむなく指定解除となったものであります。今後とも、本市にとって価値ある文化財につきましては、十分な調査活動をしながら、文化財保護審議会に諮って文化財の指定及び保護、保存、伝承活動に取り組んでまいります。               (教育長 淺利 忠君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  再質問ございますか。小田切君。 ○4番(小田切康人君)  では、1項目からいきたいと思います。1項目、2項目、3項目は、いずれも関連したことであります。  なぜ「鹿角市の中心はどこか」と尋ねたかというと、都市計画マスタープランの中に中心地区と地域中心地区という二つの中心が出てきます。私は、その辺に発想のばらつきというか、焦点のずれを感じます。本来、中心というのは一つのはずです。一つしかないから中心というのであります。同じ花輪に住んでいながら、私はきのうの大里恭司議員とは異なった発想を持っておりますが、鹿角市の具体的な都市像が浮かび上がってこないという点では一致しております。都市づくりの上で、ここが鹿角市の中心だと、やはりはっきり言えなければだめではないかと思います。  また、鹿角市は広域合併をしているので、現実問題として、八幡平、尾去沢、花輪、十和田各地区が分散されているわけでありますが、そうした実際の生活圏が融合するまでには、一体どのぐらいの年月がかかるのでしょうか。人口のたくさんある都会であれば、そんなふうに簡単に融合ができるのですが、鹿角市の場合はこれから人口はふえるとはとても考えられないので、その辺の目指す都市づくりの構想の中にひずみが生じないかなということでお尋ねしました。その辺をもう少し掘り下げてお願いします。 ○議長(佐藤洋輔君)  総務部長。 ○総務部長(勝田 尚君)  まず一つは、中心点の問題でございますが、具体的には答弁で述べましたように、花輪地区を中心点として、そして、そのほか毛馬内とかそういうところを地域の中心点というふうにとらえてまいってございます。確かに、小田切議員の言うとおり、まん丸い円であれば中心点は一つですが、鹿角市はずっと先ほど申し上げましたように、軸が長くとられています。つまり、楕円形といいますか、楕円形の場合は中心点が2点になります。ただ、今の場合は、何といいますか、そういうふうなことから全体的な地域とそして地域的な中心と、こういうふうなことで位置づけているものでございます。  それから、今後の融合という点につきましては、これは合併してからの地域的な感情といいますか、そういうのは確かに現在も全然ないとは言えないと思いますが、それは市制20周年、また25周年というふうなことからもいいまして、だんだん薄れてきているのではないかなと考えてございます。これは、徐々にそういうふうになっていくものと考えてございます。 ○議長(佐藤洋輔君)  小田切君。 ○4番(小田切康人君)  私は、楕円形であっても中心は一つだと思うのですが。そういう発想からまずやっていきますと花輪ということでありましたが、その中心と考える、さらに中心の商業地、中心商業地の再生、これをどのようにやっていくのか。いわゆる「街部の空洞化」は、これは先ほど壇上で申しましたとおり、すべてにかかわる重大な問題であります。その反面、超大型ショッピングセンターに見られるように、昨日大里議員からもありましたが、地域に法の網の目をかけるということも考えられますが、それ以上のスピードで恐らく大型ショッピングセンターは蔓延していくと思います。そうなってくると、本当に政治の力で配慮していかないと抜本的なものが変わっていかないだろうと思いますが、その辺をもう少し掘り下げてお願いします。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  先ほど来、中心地という話がございますが、ご承知のように鹿角市は4カ町村が合併して、25年前に発足したまちであります。それだけに、それぞれの人口が集中している地域には長い歴史的背景と文化があるわけでありまして、確かに現実的に見ますと、色分けをして、これが商業地、これが中心地とぴしっといけると、これは一番やりやすいのですが、現実的には、それぞれその地域で生活をして営みを持っておられるわけですから、その辺のバランスを崩さないような形で、徐々に都市機能の集積、中心地では中心地、その他の地域はそれぞれの特色を持ったような施策を誘導していかなければならないと、そういう考え方のもとに今まで行ってきたつもりであります。  ただ、何しろ商店なり住宅が連檐しておりません。例えば、この市役所周辺もそうでありますが、そういう空き地と申しますか、そういうところに大型店が郊外型として張りつく、あるいはまた張りつく可能性が出てきたということに大きな問題点も出ているわけであります。ですが、それはすべて政治的に排除できるかというと、きのうもお話ししたように、なかなかいろんな法律の背景もありますし、また私どもも幾らこれはだめといっても、法律的に認められると。ではそれはどういう形で排除するのかという、いろんな要素がありますので、その辺のバランスの問題が大変出てくるだろうというふうに思います。思いとしては、小田切議員と同じような思いは持っているのですが、しかし、幾ら市長であっても、できないことはできないので、ただ最善の努力はしてまいらなければならないという気持ちだけは変わりございません。 ○議長(佐藤洋輔君)  小田切君。 ○4番(小田切康人君)  それと、中心商業地の近代化がどんどん進んできておりますが、私が思うに、近代化はもう既に15年前に終わっていなければならなかった事業ではないかなと思うのです。今、こういうショッピングセンターがどんどん出てくる中に近代化が進んでいっても、一つの大きなものが、さっき壇上で言いましたああいうでかいものが一つできたことによって、すべてが葬り去られるというか、そういう感じがいたしてなりません。  では次に、生涯学習センターについてでありますが、これに関しては先ほど申し上げましたとおり、私の考えは、市長さん、やっぱり勇気を持って前に進んでつくっていただきたい、そんなふうに思っております。これは、多くの市民の皆さんが望んでいることだと思います。ただし、その中に市民の声が十分に届いていないのでないかという感じはいたします。現実に、けさも私のところに出がけ前に電話がかかってきまして、きのうの建設費とか、もう既に数字が出てきていますが、出てきているということはもう既に構想があるのではないかと。その中に、市民の声が届いていないという、恐らくこれはきのうも傍聴していた方の声だと思うのですが、そういう声もけさありました。  それから、これはきのうの秋田魁新報の夕刊ですが「地方点描」というものですが、大館のことを書いておりまして、この中に、市の職員が要望のあった地区に出向いて、自分の課や仕事の内容を説明するという内容のものが書かれております。大館市が生涯学習都市、これを打ち出した背景には、昨年から引きずっている農地転用の問題とかがあって、市役所の独断先行が事件を起こしたのではないかという、その辺に視点がいきまして、その反省点から市民の声をもっと行政に届けなければならない、そういう原点に立ち返ったところから、市民が主役だという、自己批判ですね、そこに立ち返ってやろうという姿勢が出てあって、非常にすばらしいものだと、これを読んでおりました。そこで大事なことは、仮に文化会館を建てたとしても使う側の市民にも大事な責任があると思います。というのは、これだけの事業費をかけて建てるものであれば、当然維持経費も億単位のものがかかるでしょうし、そういうものをつくってから使いこなせなかったということであれば、これは非常に残念なことでありますので、その辺もよく吟味しながら、それで先ほど、振興財団はそういうものもフォローするのかということを聞きました。その辺はどうでしょうか。掘り下げてよろしくお願いします。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  まず、市民と行政の接点と申しますか、そういうもう少しいろんな意味で交流できるようにという話ですが、新年度から、もう既に私庁内の部長会議で話していますが、市民講座の中で、市の幹部職員が出向いて「私どものところではこういうような仕事をしています」というふうなことをお話しするような、そういう前に出向くという積極姿勢がなければならない。その過程でいろんなお話もお伺いすることができるだろうと、そういう姿勢をひとつ今出しておりますので、何らかの形で実現したいと思います。  それから、今の生涯学習センターの設計のことについてですが、昨日も申し上げましたが、プロポーザルという新しい手法を取り入れておりますので。通常でありますと構想ができて何平方メートルぐらいで何階建てで、そして基本設計をどなたかに発注と。こういうふうにいくと平面図を見せることができるのですが、この新しい制度は、まず提案書をいただいて、その理念とかいろんなものを、もちろんその過程としては「こういうふうなものを組み込んでくださいよ」ということを申し上げた上で出てくるわけですが、審査員の皆さん方が、「この設計屋さんは一番鹿角のこういうねらいとする生涯学習センターにふさわしいのではないか」といった場合に、その方に設計をお願いすると。その過程の中で、当然平面図とかいろいろ出てきますから、その段階で議会は当然でございますし、いろいろな関係行政委員会とか、あるいは多くの方々にお示しして、また意見をちょうだいするということになっていくだろうと思います。そういう意味で、若干今までの手法と違いますから見えにくい、見えないというふうな指摘があるのではないかと思いますので、その辺はご理解いただきたいなと思います。いずれにしても、進める過程では当然といいますか、やらなければならないことだと、皆さんにご意見を伺うということが必要だろうと思います。それから…… ○議長(佐藤洋輔君)  以上をもちまして、小田切康人君の質問を終わります。  なお、答弁漏れについては、後日文書をもってお知らせ願います。(答弁書はP 293に掲載)  昼食のため、午後1時まで休憩いたします。                午前11時50分 休憩 ―――――――――――――――――― 〇 ――――――――――――――――――                午後 1時03分 開議 ○議長(佐藤洋輔君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  順位7番、大信田喜一君の発言を許します。大信田喜一君。
                  (21番 大信田喜一君 登壇) ○21番(大信田喜一君)  私は、新世紀クラブの一員として一般質問を申し上げます。  改選以来、今期で各議員の一般質問も一巡し最後の出番となりましたが、内容的には同一主旨で質問された方々もきょうで3名ぐらいおられるようでありますが、私は私なりに思うがままに質問してまいりたいと、こういうふうに考えますので、答弁は質問に対し的確にお答えを願いたいと思います。  それでは、通告順に従いまして質問をいたしてまいりたいと、こういうふうに思います。  昨今の日本経済は低迷を続けており、特に金融機関の不良債権問題や、証券業界並びに大手銀行の一部が経営破綻をし、またこれら業界に絡む汚職が次から次へと伝染病のごとく蔓延するなど混乱している状況でもあります。日本経済に大きな痛手と世界各国の信頼を失墜いたしました。また県内においても、指導的役割を担う県政並びに県議会を含む県庁全体で43億円の不正支出の返還を、県が提示した29億円を了とするか、2月17日の食糧費等適正執行考査委員会でも最終結論に至らない状況でもあり、県民だれもが、公金使途不明金に対する怒りが日増しに増嵩する状況に至っております。  このような状況から、本市の景気対策と今後の見通しについてお尋ねをいたします。  先般、県の平成10年度当初予算案が発表されましたが、それを見ますと、一般会計では前年に比較し 4.6%増の積極型予算となっております。特に県単独投資事業は、国の財政抑制基調の中で20.5%増と大幅な伸びで、積極的な内容になっております。また、県内の景気低迷が深刻化していることから、9年度補正予算案と10年度当初予算案に中小企業の支援など、独自の経済対策を盛り込んでおります。  それに引きかえまして、本市の新年度当初予算はどうでしょうか。本市の経済の低迷、さらには年々縮減する過疎化現象の歯どめ策をいかほどに、政策繁栄の政策と「住みたいまち、住ませたいまち」のキャッチフレーズでの効果はどのような成果があらわれておりますか。まず、お伺いをいたします。  さらには、前年度当初予算に比較し、マイナス 2.3%の緊縮予算になっております。特に、普通建設事業はマイナス21.6%と、大幅にダウンしております。国の財政構造改革の影響で、補助金事業が下がるのは理解はできますが、単独事業もダウンしております。財政事情は一応理解しておりますが、市内の環境整備はまだまだ十分とは言えない状況にあります。こういう時期こそ公共事業の追加をし、活性化を図ることが必要と思います。  そこで、改めてお尋ねをいたしますが、新年度予算にどのような景気対策を盛り込んでいるのか、また今後、単独事業の追加を考えておるのか、市長の所見をお伺いいたします。  次に、生涯学習センター建設についてお伺いをいたします。  本件については、以前の一般質問並びに今回の一般質問にも提示され、さらには市民より多くの要望意見があったことには、市民を初め教育長、教育委員会の方々も重々ご承知のことでもありますが、いまだに建設計画の内容が見えてこない。だが、昨日と本日の一般質問で、若干の姿が見えてまいりましたが、従来の一般質問の答弁についても、一貫性に欠けていると私は考えております。  まず、本件については合併以来、芸文協の方々が中心に多くの市民の方々より要望もあり、また議会内部には文化会館建設特別委員会も設置され、先進地自治体への行政視察も実施されましたが、建設資金などの関係もあり、結果的には計画樹立の時期を失い今日に至っており、市民の期待を裏切る結果となり、以来当時の定例議会においても、一般質問にも多く提示されましたが、当時の本市は財政的にも建設に対する見通しも弱く、結果は流産せざるを得ない状況でもありました。当時、建設計画が提示されれば、今日では立派な文化会館の姿も形成されたのではとは思いますが、当時の財政の見通しもなく、無理に建設すれば厳しい自治体財政では後年度に禍根を残す結果とも思われる時代でもありました。昭和48年度に最初の鹿角市総合計画が策定され、平成元年に見直しされていますが、当時は図書館建設と公民館建設整備と内容の充実を図り青少年の育成強化に努めるとして、平成7年度までの計画でありましたが、平成2年3月に見直しをし、さらに平成8年度には基本構想の見直しと、後期計画が平成12年を最終年度として策定されました。人間性豊かな教育の推進の項に生涯学習センターと図書館建設計画整備を推進し、市民の教養、文化の向上を図ることで表現されておりますが、昨今の本市の財政力では厳しいものではないかと考えます。今、本市で計画推進されております下水道事業、さらには高田地区整備事業、総合運動公園スキー場整備、さらには近々予定される鹿角組合総合病院に対する補助金の関係もあり、財政的には厳しさが増大されることなどからして大変な財政負担が予想されますが、その財源確保が万全なのですか。  今回の3月予算に、建設計画の委託料として 4,600万円余の予算計上されていますが、生涯学習センター建設計画に付する財源確保が大きくウエートを占め、総合計画策定当時より年間における基金の蓄積など資金計画、さらには建設資金計画をいかほど予定されているものか、その財政計画と建設年次計画を示されたい。現段階では設計ができていないので、明確な資金計画は至難と考えますので、現時点での計画予測でのお答えでも結構でございますので、ご説明をお願いいたします。  また、生涯学習センター建設と並行して花輪図書館もあわせて計画されていますが、その計画内容と資金計画をあわせて説明されたい。さらには、現在予定されています敷地面積がゆとりがなく、周辺の買収をするとも言われていますが、これは前回の一般質問でも出され、市長が答弁されております。その計画はいかに進展されておられますか。現状を考えれば、生涯学習センターと花輪図書館に公民館併設は、使用目的からしまして弊害も発生することなど多々生ずるものと考えますので、私から言わせますと、旧公民館跡地を再度検討されたい。いずれにしましても、生涯学習センター建設については、現状の国、県の経済状況と本市の経済動向と地方財政の現状からしても、背伸びをした厳しい計画と思います。昨今の地域経済の事情からしても、むしろ10年ほど以前から、または今年度以降五、六年後の、または10年度以降に再検討するのもむだではないと思い、これもいたし方ない本市の経済状況でもあります。この点から、多くの市民の要望に反するわけですが、現在の本市財政面を考慮すれば本市の今後の財政見通しにも大きく貢献されるものとも考えられますが、いかがなものかお伺いいたします。  次に、鹿角組合総合病院新築移転についてお伺いいたします。  鹿角組合総合病院は、本市の医療中核施設として重要な役割を果たしており、医療スタッフや設備の充実が必要でありますが、移転新築については種々多くの要望、意見等が市民各地域、各種団体より提示され、さらには、議会内部においても新築移転については意見も割れ、市長の当初の発言で市役所周辺との意思表示がされて以来、農協、厚生連との意見の相違もあり、以来、特に鹿角の商工会より強烈な反対意見、さらに陳情も辞さない強烈な意見もありました。また、議会内においても意見が二分され、結果は、福士川をショートカットした南側の位置に農協、行政の意見が一致され決定に至ったわけでございますが、昨年の決定された時期以来今日まで若干の期間が経過しましたが、当時の社会経済環境の変化もあり、さらには国、県においても、財政が苦境に落ち込んでいる現状でもあり、本市においても財政的状況は厳しい時代が近々中に押し寄せてくる状況にも置かれていると私は予測いたしております。このような状況から、財政負担の多いプロジェクトが続くなど、財政には十分配慮した事業の見直しも検討に値すると思います。私は、一部市民から意見も伺っておることからして、今の組合病院の建設については再度検討する余地も多々あるし、やぶさかではないのではないかと思います。建設主体は厚生連であることは重々承知しておりますが、医療中核施設としての組合病院の建設に、市は多額の補助金を捻出しなければならないわけであります。私は、市民の意見も含め、私の考えを総合するに、今の組合病院建設については白紙に戻し、新たに現在地に建設を協議検討する時間的余裕もあると考えます。  今、旭町より組合病院が移動することにより鹿角花輪駅前周辺はますます過疎化現象が進行する、さらには、鹿角警察署も移動する街部の活性化を図るためにも、街全体の構想を樹立してこそ、住みたいまち、住ませたいまちづくりが実現されるのでないかと思いますが、市長の所見を伺います。また合併以来、組合病院の近隣である鹿角花輪駅前開発についても、多くの市民並びに議会より、駅前再開発構想を検討されるよう意見が数多くありましたが、いまだに提示、実現されておらない。このことから、これらを総合的に判断することが必要であり、本当に4万市民の意見が行政に反映され実現されるのか、問題があると思いますがいかがですか。お伺いをいたします。  次に、市長の政治姿勢についてお伺いいたします。  市長、あなたは一昨年3期目の市長選において、無投票当選されました。以来、以前の杉江市長と現在の市長の政治姿勢に、時間の経過とともに行政に対する対応に大きな変化を来していのではないかと思われます。それも、さきの市長選で無投票当選したという大きな変化のあらわれと考えます。  その要因は、8年間助役、収入役を市長当選の直後間もなく退職させ、それも市長の自宅で隠匿するがごとく引導を渡したことから始まり、以来、議会選挙、議会会派構成、並びに我が会派の各地域における行政報告会などに対し、市民に歪曲される表現をされておることは、市長として正しい姿、行動と理解されるものか。市長は常に中立的な立場にあるべき姿こそ、市長としての、政治家としての評価をされると考えますが、市長の政治に対するお考えをお伺いいたします。  なお、本件については、答弁のいかんによっては、さらに厳しく再質問いたすことも考慮の上、的確にお答えを望むものであります。以上で、壇上よりの質問を終わりますが、答弁のいかんによっては、自席よりさらに質疑を重ねてまいります。  最後に、これはお願いになりますが、私は本日90分の時間を要求しましたが、私の現在の健康上から早期に終了することもあると思いますので、その節はよろしく取り計らいを議長にお願いをいたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。               (21番 大信田喜一君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  ただいまの質問に対し、答弁を求めます。市長。               (市長 杉江宗祐君 登壇) ○市長(杉江宗祐君)  大信田喜一議員のご質問にお答えします。  初めに、景気対策と今後の見通しについてでありますが、本市の景気動向につきましては、消費税率引き上げの影響がいまだ尾を引き、個人消費の伸び悩みや民間設備投資、住宅着工に低調さが見られるものの、国のゼロ国債等による公共事業の前倒し発注により、今後その波及効果が出てくるものと期待しているところであります。  次に、景気対策と予算についてでありますが、まず、普通建設事業が平成9年度に比較し21.5%の減少となっているとのことですが、これは尾去沢中学校グラウンド整備事業、八幡平地域経営公社整備事業が終了したことや、単独事業に分類されます地方道路整備臨時交付金事業の事業量が、国の地方単独事業の絞り込みによりまして、3路線から1路線になったことによるものであります。しかしながら、ご指摘にもありますように、このような景気低迷のときにこそ、民間需要の乏しい地方にあっては、生活関連の整備事業や21世紀の人材養成につながる事業などにより、地域経済の活性化を図らなければならないものと考えております。そのため、新年度に当たっては、工事の早期発注に努めるとともに、今後公共事業の前倒し発注に伴う下期の事業量不足が懸念されることから、その追加について、9年度決算見込みや国、県の動向を十分注視しながら、補正予算で対応してまいります。  また、予算にどのような景気対策を盛り込んでいるかとのお尋ねですが、中小企業対策として、従来からの各種貸付金預託事業のほか、新たに空き店舗対策事業を計上したほか、農業経済対策として、新たに担い手農業者経営安定対策事業や緊急生産調整推進地域調整事業などを計上しております。さらに、直接予算にはあらわれておりませんが、鹿角市中小企業振興資金、いわゆるマル鹿について、融資期間を現行の7年以内を10年以内に延長するよう関係機関にお願いしておりましたところ、10年度の特例として、4月から9月までの間ではありますが、認めていただけるめどがついたところであります。この特例を活用し現在の借入金の借りかえが行われれば、借入者の月々の償還額が軽減されますので、中小企業者の先行きに対する不安の解消や企業経営の安定が図られ、これが景気浮揚対策となり、ひいては経済活性化につながるものと期待しているところであります。  次に、(仮称)生涯学習センター建設に当たっての財源確保についてでありますが、この事業は、地方拠点都市地域基本計画に掲載されている中核的な公共施設であることから、通常の充当率を国がかさ上げし、しかも元利償還金の55%が交付税算入される極めて有利な地方債と、市総合計画後期基本計画がスタートした平成8年度から造成を始めた事業費の約2割に相当する基金を財源として考えております。  具体的な建設資金計画につきましては、ハード事業がスタートする平成11年度から14年度までの間に建設事業費約52億円と推定し、基金繰入額として平成12年度から14年度までに10億円を、また起債については、充当率90%の地域総合整備事業債を充てるものであります。今世紀最後の重要なプロジェクトでありますことから、市全体の事業との調整を図りながら集中的に進めることが重要であり、短・中期的な財政計画に基づき、綿密なシミュレーションを行っております。  また、施設建設事業としての事業費が大きいことから、後年度における市民への負担増とならないよう、当然に財政運営の指標となる公債費比率、起債許可制限比率等に最大限、意を配しながら財政運営に努めてまいります。  次に、建設年次計画についてでありますが、現在、10年度に基本設計、11年度に実施設計及び用地造成、12年度から13年度において本体工事、14年度に本体工事と環境整備工事という案で進めてまいりたいと考えております。  次に、(仮称)生涯学習センターと図書館の計画内容についてでありますが、(仮称)生涯学習センターは、地域文化に対する市民の意識を喚起し、地域文化を振興するための効果的な拠点づくり、高度情報化社会に対処し得る新システムによる拠点づくり、生涯学習社会における社会教育の振興と地域づくり・人づくりを進める拠点づくり、住民が「集い」「学び」「交流」を通して、住みよいまちづくりに寄与することを基本的な考え方とし、文化会館、図書館、公民館の三つの柱を拠点とした複合施設として整備する計画であります。  施設の機能としての現在の考え方は、文化会館として、すぐれた芸術を鑑賞する機会の提供や講演会等にも利用できる文化活動拠点としての機能、市民がみずから行う魅力的で個性的な市民文化創造の場としての機能、文化情報の収集と提供機能。図書館として、文字資料に加え、新しいメディアであるAV資料等の収集と情報提供機能、コンピューターによる資料や情報の組織化、保存及び蓄積機能、閲覧・貸し出し・複写・レファレンス等による利用者へのサービス機能。  公民館として、市民の集会や学習、地域づくり活動の拠点としての機能、地域性を重視し積極的で個性的な学習事業、住民との共同の中で創出する機能、生涯学習情報提供、学習相談事業、全市的な生涯学習事業の連絡調整機能を考えております。  (仮称)生涯学習センターの整備コンセプトとしては、本市のシンボルとなり、新しい文化の創造を目指す拠点と位置づけております。  なお、図書館単独の資金計画については、現時点では、個別施設としての建設規模の把握が困難な面があり、先ほどお答えしました(仮称)生涯学習センター全体としての資金計画でご理解いただきたいと思います。  次に、敷地周辺の用地問題についてでありますが、現在、市が所有している敷地から少し広げたいとは考えておりますが、この後の設計発注までの間に具体的に詰め、ご協議させていただきたいと考えております。  (仮称)生涯学習センターと図書館の併設による弊害についてでありますが、現在の建築技術では、合築の場合でも、その個々の機能を生かしながら、利用者が相互の施設を往来することなどにより大きな効果をもたらすことを示す実例もございます。このような観点から、(仮称)生涯学習センターと図書館の分離は考えておりませんので、旧公民館跡地に図書館をとの検討は、現時点では想定いたしておりません。  次に、(仮称)生涯学習センター建設に当たって、本市の経済動向と地方財政の現状からして、本年度から五、六年後に、計画変更を含めて検討してはどうかとのご指摘についてでありますが、高齢社会の進展に伴う充実したライフスタイルの確立や情報密度の高まりに伴う趣味・嗜好の多様化に伴い、生涯学習による市民の文化活動拠点は、市民意識調査を通じてその必要性を求められております。  これまで建設に着手されなかった要因として、当該地への大型店の誘致があったこと、冬季国体開催施設や都市機能としての基本的な社会資本である下水道の普及、快適で利便性の高い居住環境の整備・充実施策である区画整理事業など、短期集中型で完結させる事業や、市民生活に直結する政策に対して緊急に道筋をつける事業を優先したことが挙げられます。  こうした中で、国家的な財政構造の悪化が、本市経済、さらには財政事情にも影響を及ぼし、行財政運営はますます厳しさを増し難しい局面になっております。後年度において、事業を再検討するという選択肢もありますが、日々刻々と社会・経済情勢が変化し、これに伴う新たな行政需要が次々と生まれることが十分に予想されますことから、事業実施に当たって時を逸することは、市政運営を任される者にとりまして本意ではありません。短期間で重点的に投資すべき事業のピークが越えたことでもあり、市民生活の向上に資する継続的な事業を進めることを前提に、私の選挙公約であり、政策に対する住民意識も高い(仮称)生涯学習センター建設事業を、中核医療施設である鹿角組合総合病院建設に伴った財政支援が始まる前に完了するよう、新年度から本格的に取り組む決意をしたところであり、これまでの提言を再検討し、今後の利用密度や将来的に必要不可欠な機能等を十分に検証しながら、20世紀と21世紀をつなぐかけ橋となり、市民が誇れる文化活動拠点を一体的に、しかも効率的に整備してまいりたいと考えております。  次に、鹿角組合総合病院新築移転についてでありますが、病院改築については、これまでも説明してまいりましたように、秋田厚生連が、老朽化した病院を近代化し、だれもが安心して診療を受けられ、保健、福祉を支援し、住民と密着した病院を目指して計画的に進めているものであります。鹿角組合総合病院も、その計画の一環として厚生連が現地調査を始め、広い観点から検討しながら現在に至ったものであります。厚生連としても、現在地への建設について地元関係者を含め検討した結果、新病院については移転しかないという結論に達したものであります。このようなことから、現在地への建設を再度検討するということはあり得ないものと考えます。  なお、病院移転後における跡地利用につきまして、まちづくりの観点から一番ふさわしい活用方法について、土地の所有者との協議や民間利用も含めて、幅広く検討してまいります。  次に、政治姿勢についてでありますが、私は昭和63年の市長選挙に初当選以来、引き続き3期目の鹿角市政をお預りすることになりましたが、市民の皆さんのご負託におこたえするため、大いなる使命感を抱き、力の及ぶ限りその任に当たり、21世紀を展望した魅力あるまちづくりに向けて、諸事業を積極的に推進しているところであります。とりわけ、高齢化社会を迎えての福祉の充実や、自由に学べる生涯学習と人材の育成などを重視いたしております。もとより、市政には、議会と市民の皆様方の信頼とご協力が何よりも重要であると認識いたしておりますので、人が中心のまちづくりを目指し、皆様とともに汗して仕事をすることを大切にしたいと考えております。  本市を取り巻く諸情勢は厳しく時代の変革も急激であり、幾多の試練があろうかと思いますが、皆様のご支援を活力として力強く市政を推進してまいりたいと考えておりますので、なお一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。               (市長 杉江宗祐君 降壇) ○議長(佐藤洋輔君)  再質問ございますか。大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  しりの方から再質問してまいりたいと、こう思います。  確かに私自体も、市長が当初履行するということでは、市長にも相談をかけられました。そして、協力要請もされました。私は、少なくとも3期目までは、あなたに協力したつもりでございます。しかし、今現時点においては、当初私は清風会におりました。今は新世紀クラブに所属しております。一昨年の後半から、非常に市長の態度が変化したということについて、非常に私は疑問で、情けない、残念だなという気持ちにたえないわけでございます。確かに私は当時は、市長、あなたが提案した物事には 100%協力はいたしておりません。それは、私の政治生命をかけた、市長は市長の政治生命をかけた問題だと思うわけでございますけれども、市長には覚えがあると思いますけれども、あれだけこきおろされるとは私は思っておりませんでした。非常に残念でなりません。確かに私は、あなたの提案に対し、だめなのはだめ、いいのはいいというふうなことで提言をしてまいりました。以来、やることなすことが 100%だめだと言わんばかりのあなたの行動であったというふうに私は理解をいたしております。非常に残念でもあり、長い間支持をしてきた市長に、逆に私は裏切られたという気持ちであるわけでございますけれども、その点に対するお考えはいかがなものですか。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  ただいまのご質問ですが、私の信念、あるいはまた行動は、私自身はそんなに変えたつもりも変わったつもりもございません。粛々とやっているつもりであります。今、お話がありましたように、大信田議員に対して今までとは手のひらを返したようなあれだというニュアンスのお話でございますが、それも私はそういうふうに考えておりません。何かの誤解だろうと思いますし、そうしてまた、私がそういうふうに見られるとすれば私の不徳のいたすところかなと存じていますが、私自身としては、粛々と今までどおりやらせていただいているつもりであります。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  恐らくそういうふうに出るだろうということで、私は予測はしておりました。だがしかし、これは市役所内部の職員間でもそういう話は出ているんですよ。さらには、業者間からもそういう話は出ているんですよ。これでは大変だなということで、私も精いっぱい頑張ったし、時には途中断念しようかなという気持ちも多々ありました。だがしかし、ああいう形で攻撃されるのであれば、意地でも私は一踏ん張りをしなければいけないということで、他の議員の方々と比較すると最低線で合格させてもらったということについては、私の支持者に対する感謝の気持ちにたえないわけでございますけれども。市長がそういうふうなことを一切合財やっていないということであれば、これは本人が口をあかない限りはお互いに水かけ論になるわけですが、これは現に事実あったことですから後で調査してください。一部職員からそういう言葉が多々出ているんですよ。それは私ばかりではないんです、もっともっとあったんです。だから、私が今発言しているわけですから、私のことしか私は申し上げませんけれども、そういうふうな体制づくりをするということについては、私は、市長さんが議会を愚弄したというふうにも考えられますし、さらには我々会派が市民集会を開いたということについても、いろいろな話は伺っております。それも、市長として発言すべき、表面に出すべき言葉ではないと私は思っておりますけれども、それも事実あったのかどうか、市長の考えをお伺いいたします。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  職員がそういうことを言っているということですが、職員に対して、そういう政治的なことを私がいろいろ話をしたり指示をしたりするということは、まずあり得ないことであります。ただ一つ思い当たるとすれば、大信田さんの関係で言うと、「大信田さんが勇退するような話があるよ」ということで、あなたの後援会の一人に「本当にそうですか。それでいいんですか」という話はしたことはございます。それは、名前をしゃべっても結構でございますが、恐らくそういうことが何かの誤解になっていったんではないかと。私はむしろ案じて言っているのであって、決して引きおろすとかそういう汚いことは少なくともしておりませんし、あり得ないと思います。  それから、会派で行政報告会をやっているのに対して云々も、一つずつ私が内容をだれかから報告を受けているわけでもありませんし、一つずつ、とやかく言うようなこともございません。  それも何かの聞き違いか、言い伝えの間違いかもしれないと思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  今、市長は私の後援会云々ということで話をされましたが、確かにその話も聞きました。さらには私自身、あなたの後援会の人にも「こうこうこういうものですよ」ということで話した経緯がある。ところが、その人に対してあなたは、私が話したこととは反対の表現を使って話したということについては、私は非常に残念至極であるわけですけれども、確かに私は、その当時もあなたを支持しておりました。その時点から、私の考えは多少変わってきたし、曲解をした面も多少あろうと思いますけれども、事実そういうことがあったということだけは伝えておきたいと、こう思います。後で、それらの関係の方々から確認してもらっても結構でございます。  次に、次の項に入りたいと思います。  まず、組合病院の関係でございますけれども、当初提案された時期から見ますと若干の時間が経過しておるわけでございますけれども、今の、福士川のショートカットの周辺に建設するということについては、きのうの一般質問にもあったようでございますけれども、50数億円かかると。そのうち50何%が交付税算入として入ってくると。ちょっと間違えましたけれども、今の組合病院建設についての相対的な構想、これは農協経済連と協議をされていると思うんですけれども、その点どういうふうになっているのか、お考えを伺いたい。さらには、私が壇上で申し上げましたように、今現在地に建設した方がいいと思うがどうかということで提案をしたわけですけれども、これは、やはり現在の鹿角市の財政状況を考えるならば、幾らでも財源がかからない、最小限削減をした考えで建設するというのが、市民のためにも良策ではないのかなと私は思ったし、さらには、先ほど市長も話されましたように、病院を撤去することによって病院の敷地を恐らく購入してくれというふうなことで市長に要請もあるだろうし、さらには、今鹿角警察署も移転しなければいけないと。あの土地も回ってくる。あれも実際的には、市の方に要請も出てくるんではないかなと、こう思います。  私は、今の場所に建設して、そうすれば財源が幾らでも削減されるし、さらには花輪地域の活性化が取り戻せるという考え方を持っております。さらには、鹿角花輪駅前開発をもっともっと以前から事業を推進しなければいけないという考え方を私自身持っておりましたけれども、いまだにそういう計画が出てこないということは非常に残念でもあるし、そういうことを包含して現在地につくり、そしてさらには、花輪町、旭町、大町、あの周辺の活性化を保つような方向も、市長としての政治に対する誠意のあらわれにもなるのではないのかなというような感じがいたします。確かに今の組合病院の敷地内に建設するということについては、土地そのものが狭いということは私も理解できます。ただ、あそこに病院そのものだけを建設するということについては十分可能なのではないかなというような感じがします。そしてさらには、今の鹿角警察署がいずれ移転するわけですから、あそこを組合病院の駐車場にすると。さらには、小さな予備的な施設をあそこに建設するというような方向も考えられるし、そうして駐車場から現在地の病院まで地下道で通院してもらうというような方向も、一つの考え方ではなかろうかと、こう思うんですけれども、その点はいかが思いますか。いずれにしても、市長はもうあそこは絶対だめだという観念ですから、私の期待している答えは出ないと思うんですけれども、その辺も含めてお答え願いたいと。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  大信田議員の熱意はわかりますけれども、厚生連では、もう間もなく今月中に最終決定をするというふうに伺っております。位置とか計画についてですね。具体的な計画についてはまだ私どもと協議をしておりませんので、内容については私は全然まだ承知しておりません。  それから、警察跡地とか駅前広場などについても言及されているわけでありますが、警察の跡地利用については、きょうもいろいろご質問があったとおりでありますし、これから十分検討しなければならない。そしてまた、駅前の広場の再整備についても内部ではいろいろ検討会をやっていますが、やはり早い時期に市民の皆さんにそういう構想なり方向づけをお示しする必要があるだろうと思っております。そういう意味で、内部ではいろいろ検討会をやっていますから、いま少し時間をいただきたいなと思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  それから、今の組合病院の建設については、それなりのかなりの財源を要するわけでございますけれども、あそこに建設するということと、さらには今の、市長が提案されていますショートカットされた南側に建設するということで、財政的にどのような検討をされたのか。一方的に、一方的とは失礼だと思うんですけれども、今のショートカットされた場所に建設するということだけを検討されたのかどうかと、こういうようなこと。  さらには、今の組合病院建設については、庁内にプロジェクトチームを編成して検討されたというような話も漏れ承っているわけでございますけれども、そのメンバーはどういう形の中で論議されたのか、その点も詳しくご説明を願いたいと、こう思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  組合病院の改築あるいは新築については、これは再三申し上げているとおり、私の方ではなくて厚生連が最終決定権者であります。厚生連で、私どもも入ってですが、そういう財政比較、どちらがどうかという比較検討はされていません。ただ、現在地に建てられるかどうかという環境などについて、そういうものについては話し合いがされたことはございますけれども、結論的には、現在地は無理だということになったわけであります。新しい場所について、庁内にプロジェクトをつくってどうしようこうしようではなくて、いずれ市としてもある程度のかかわりを持たなければ、将来の都市計画上やはり無責任になるということで、どの周辺がいいだろうか、その場合に道路などはどうなるんだろうかという検討会をしたことは事実でありますし、今その線に従って、いろいろ関係方面との接触をしているところであります。
    ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  私はなぜこんなことを言って、市長とどこまでも相反する表現になるわけですけれども、今の組合病院に通院されている患者の方々の地区別の状況を見ますと、確かに花輪地域全体が中心だと。さらに尾去沢、八幡平、さらには岩手県の北部の方々が通院されているというようなことからしますと、私は、それも一つの方法ではないのかなと、こう思います。  ただ、こんなことを言いますと、十和田地区の方々に非常におしかりを受けると思うんですけれども、向こうにはそれなりの医療施設もあるし、さらには大館の労災病院も近くにあるということからしますと、多少は了解を得られる問題ではなかろうかと考えて、こういう提案をしたわけでございます。これは、恐らく大方の方々が、特に花輪地域の方々から言わせれば、現在地に建てるということについては、私は賛同を受けるというような考え方を持っていますけれども、ところが、私が最終的に決定するものではない。あくまでも市長と経済連との協議の中で、これから決められ、細部にわたって話を詰めるわけですから、そこら辺まで、私が果たして介入していいのか、悪いのかというようなことになりますと多少の問題があるわけでございますけれども。  ただ、地域の活性化をいかに保つかということも、やっぱり考慮の中に入れながらこういうような問題を検討するというのが本質ではなかろうかと、私はこう思いますし、さらには先ほどお伺いした、庁内にプロジェクトチームをつくって、どんなメンバーが入って検討されたかということについては答えが出ていないわけなんですけれども、それも含めて再度お答え願いたいと、こう思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  再三申し上げているとおりでありますが、活性化あるいはまた花輪町の商店街という意味合いからいくと、現在地が一番ベターであるということは、これは論をまたないと思います。ただ、やはり病院は病院としての将来的な考え方があるわけですし、また今、通院関係のエリアの話もありましたが、鹿角市内だけではなくて、新聞で見ますと、小坂町も病院を単独で抱えるのは極めて難しい状況になったと報道されておりますし、もう廃止せざるを得ないだろうというような報道がされています。そうすると、やはり小坂町もそういうエリアの中に、当然視野として入れなければならないだろうと、私はそう思うんです。ただ、どこの地域に肩を持つではなくて、公正にやはり物事を見ていかなければならないだろうと思っております。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  また後で思いつきが出てくれば、さらにこの問題については質問をしてまいりたいと思うんですけれども、まず次に、生涯学習センターの関係についてお伺いしてまいりたいと、こう思います。  私の不勉強もあろうと思うんですけれども、きのうの生涯学習センターに対する質問に対し、さらにきょうもお二方から、そういう問題が提示されているわけなんですけれども、当初生涯学習センターということで単独建設ということが提案されておったわけなんですけれども、これは失礼ですけれども、長い古い議員の方々は十分承知だと思うんですけれども。ところが、先ほど壇上で話したように、途中から図書館の建設も併設すると。さらにきのうの答弁では、公民館も併設したい、すると、こういうお答えが出ているわけなんですけれども、これはどういう関係で、そういうふうにしばしば計画変更されたのか。  さらには、議会からそういう要望があってやったのかということになれば、ちょっと私は疑問を持っているんですけれども、その辺のお答えをお願いいたします。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  機能面ですから、運営するのも教育委員会ですから、すべて私が答弁するのもいささか少し気が引けるわけですが、ただ当初、生涯学習センターという名称でありましたが、生涯学習センターという定義づけをきちっとして買ったという経緯ではなくて、将来的にそういう、いろんなものを包含した形であそこへ建てたいということで取得したわけであります。  生涯学習と公民館活動というのはまさに不離一体の仲にありますし、どこまでが生涯でどこが公民館かというと、これはなかなか色をつけにくいというのが現実の姿だろうと思います。そういう意味で機能の柱の中の一つには、公民館と入れていますが、生涯学習機能もその中に多く入れていこうという考え方です。ですから、そういう意味からいきますと図書館も同じようなことが言えるわけでありまして、当初から図書館はこう、文化会館はこうだというふうに色分けをしたわけではありませんけれども、いろいろ検討の結果、単独かあるいはまた合築かという意見は確かにありましたけれども、結論的には、合築した方が建設コストからいっても、あるいはまた運用といった面からいっても、その方がいいだろうという結論に至ったわけであります。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  私もよくわかりませんけれども、お伺いするわけなんですけれども、確かに今の生涯学習センター、これはまず仮称なわけなんですけれども、これは私の予想では恐らく、補助金の関係等もあって生涯学習というふうな名前をつけたのではないかなというような感じはするんですけれども、そこはわかりません。  それで、公民館活動と生涯学習センターの活動と、内容的には確かにそんなに大きな差異はないのではないかな。恐らく関連した事項がいっぱい出てくるわけですから、これはいいと思うんですけれども、果たして実質的に今の国の方針、県の方針から言わせますと、公民館を生涯学習センターに併設して、さらにはどのような職員配置をするかわかりませんけれども、公民館そのものを民間に委託するということは可能かどうかということになれば、私は疑問を持っているんですけれども。私は不可能ではないのかなという感じはします。その点、私もよく勉強しておりませんから、失礼ですけれどもそういうふうな感じを、私の長い経験の中から話しているわけですから誤解のないようにお願いしたいんですけれども、その辺はどうなのかということを。  さらには、前回の一般質問にも出されていたわけですけれども、今の土地は狭いと、こういうことなんですよ。それで、周辺の土地を購入したいと。こういうことで答弁されているし、確かにこの前には、一件だかどこかが了解をしたという話も漏れ伺っているわけですけれども、その後の状況はどうなっているのかと。  さらにはあそこに、余り大きくないわけですけれども公園があると。きのうの一般質問を私は聞いておりませんから、はっきりしたことを申し述べるわけにいかないわけなんですけれども、あの公園を移転させたいと、移転するんだということも、話の中にあったようなことも聞いた面が多少あるわけなんですけれども、果たしてあの公園を移転できるかどうかということについては、私は非常に疑問があるわけなんですけれども。さらには、公園法からいっても、それが可能なのかどうかと。このようなことについては、十分検討した上で発言をしなければ、私は間違いが起きるのではないかなと思うんですけれども、その辺の市長のお考えをお伺いしたい。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  生涯学習の場合は生涯学習法というのがあるわけです。公民館は公民館でそれぞれありますが、ただ最近は、余りその法の縦割りの中におさまらないような仕組みになりつつあります。それから、私どももこれを建てる場合にも、補助金をもらって建てるかどうかという論議をしましたが、かえって補助金をもらうと財政的にはむしろ一般単独債などということになりますし大変面倒だということで、先ほど言いましたように地総債に変わったわけであります。ですから、運用面では若干弾力的にできるだろうと思います。  それから、生涯学習だけの職員ということではなくて、やはり先ほど言いましたように、公民館と不離一体の仲でありますから事務局体制は一つでいいだろうと、私はそう思っております。  図書館は別ですよ。これまた別にしなければならないだろうと思います。  それから敷地の関係ですが、狭いからどこかを買い求めるという発想よりも、あの中に街区の児童公園が一つありますので、あれをどこかへ移すことによって大変有効的に土地利用が図られるということで、ぜひそれをしたいものだと、進めたいものだということできのう答弁したんですが、今まで大変難しいという指導をいただいていたんですが、進め方によっては可能だという答弁を、県の責任者の方からいただいておりますので、私は可能性が極めて高いのかなと思っています。ただ、具体的な詰めはこれからさせていただきたいと思っています。               (「答弁漏れ」の声あり)  委託するかしないかというのはまだ全然決めてございませんので、これからの問題だと思います。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  私が市長の答弁を聞き漏らしたかどうかわかりませんけれども、周辺の買収がどうなっておるのかということも伺ったんですけれども、何かそれに答えが出てこないんではないかなという感じを、今しているわけなんです。  さらには、先ほどの壇上での答弁に対して、恐らく市長の考えは今のいとくの土地を指して言ったのではないかなというふうに思うんです。あれはもう完全に入札で鹿角市は負けたわけですから、これはしようがないと思うんですけれども、当初、確かにあそこにそういう施設をつくりたいという話は聞いておったんですけれども。ところが、実質的にいとくに買収されてしまったというようなことで、さらには、私がさっき壇上で話したように財政的な面もあって、今現在建設すると、事業を進めるということについては非常に無理もあったというようなことから、実際的には断念せざるを得ないという状況になったわけですけれども。その辺を考えれば、生涯学習センターがどういうふうに名称が変わってくるかわかりませんけれども、確かに生涯学習センターと公民館の事業内容は大体似通ってきているわけなんですけれども、いずれにしても私は、行政上からいいますとちょっと違うんではないのかなという感じを受けたものですから、私はそういうふうに質問したわけなんですけれども、その辺を再度またお答え願えればと思うんですけれども。 ○議長(佐藤洋輔君)  教育次長。 ○教育次長(高畑 直君)  教育委員会としては、生涯学習課が事務局にあって、生涯学習の事務を進めているわけですけれども、公民館そのものも、生涯学習の一環としての事務も大変多くありまして、それをきちっとすみ分けするということは大変難しいと思いますので、それらを複合施設として一緒になって事務を進めるのがいいのではないかなということで、公民館も生涯学習センターの中に位置づけたら、有機的に事務が進むというふうな考え方で市長の方にはお願いしております。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  それから、今のと建設計画そのものは、実質的にはもう市長は、行政報告にも話されましたように平成10年度で一応の方向を決めたいということで、そして今回の予算にも盛っているわけなんですけれども、実質的に相対的な額はきのうの質問でもある程度出ていますからわかりますけれども、その財政計画はどうなっていますか、建設に対する財政計画。ただ、私が言うのは、財政的には非常に厳しいということだけが頭にあるわけですけれども、余計その辺だけが先行するというような状況になっていますけれども、それをきちんとしなければ私は大変だと。さらには、今の建設に対する基金の積み立てがあったのかないのか、これも含めて説明を願いたい。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  建設年次と財政計画については、先ほど演壇からご説明申し上げたとおりでありますが、この事業を実施するには単年度ではとてもとても無理でありますから、年次計画で継続的に実施したいという考えであります。それで、11年度から14年度の環境整備までということで計画はしております。もちろん総体の事業費がまだ固まっておりませんけれども、ある程度想定しながら財政計画は立てております。そしてまた、財源についても申し上げたとおり、9年度中に7億円ぐらいまで基金を積み立て、そして来年度3億円ぐらいで、10億円をめどにして基金造成をしたいと。それを一般財源化して使いたいということであります。残りは、55%元利償還金、国からいただける起債が90%充当ございますので、その事業の全体図を見ながらうまく配分をしていきたいと思います。  いずれにいたしましても、公債費比率とかいろんな問題がいろいろご心配されている昨今でありますが、9年度の見込みでも8年度よりも公債費比率は下がる見通しでありまして、13.9%前後になるだろうと思っていますし、10年度はさらに1ポイント下がりまして、12.9%ぐらいになるだろうと、そういう全体の財政計画を見定めた上で事業計画を計上しているところであります。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  私が一番心配するのは、やっぱり鹿角市の現状からいって財政力を、私は非常に心配しているわけなんです。だから、今の財政力指数なり公債費比率なり、それからさらに負担率、経常比率等調査してみますと年々やっぱり落ち込んできているというのが現状なわけですから。  さらには先ほども壇上でちょっと申し上げましたけれども、組合病院なり今の学習センターなり、事業を推進することによって公債費の比率がまだまだ上がってくるし、さらにはスキー場の関係、もうそろそろ返還時期に入ってくるのではないかなと。さらには運動公園、高田地区の都市開発、下水道事業といろいろたくさんの事業がまだ残っておるわけですから。そうしますとますます公債比率は上がってくるし、財政力指数そのものも軽減、下がってしまうという状況になるのではないかなということで、その辺の心配がなければどうということはないわけですけれども。また、鹿角が赤字財政再建団体に落ち込むというようなことがあったら、私は大変ではないかなという気持ちで話しているものですから、その辺も含めた説明を願いたいと。 ○議長(佐藤洋輔君)  市長。 ○市長(杉江宗祐君)  今も申し上げましたように、この事業は大変大きなプロジェクトでもありますから、中・長期の財政というものをきちっと見定めて、私どもは取り組んでまいりたいと思っております。ここ何年間かは、起債残高は確かにふえてきております。そのために、公債費負担率は当然伸びて、経常収支比率は上がっていることは事実です。ただ全国的に、全国の市町村の半数以上がもう15%を超える、来年はさらに七、八%伸びるてくるだろうという状況でありますから、その辺が大変留意すべきところでありますけれども、逆に言いますと、元利償還金の中で交付税で見られている分などありますので、その分を差し引きますと、最終的には公債費比率は下がってきているというのが現状であります。ただこの後、国が4月、5月にまた大型の景気浮揚対策などとありますから、こういうものが、どうまた起債に影響するかということも考えなければなりませんが、現状ではそういうふうなことであります。 ○議長(佐藤洋輔君)  大信田君。 ○21番(大信田喜一君)  同じことを何回もしゃべっても何ですから、この辺でとめたいと思うんですけれども、ただ私が一番心配するのは、やっぱり鹿角の財政力というのは非常にもう落ち込んでいると。さらには人口が減少しているということからして、私は非常に、前にも合併当時から赤字団体云々というようなことがたくさんあったわけですから、余計心配なわけなんです。だから、後年にそういう過ちがないような行政執行をしてもらわなければ、大変な、今の若い世代に対する責任転嫁になってしまうのではないかなということから、今までの、きょうの質問を、それらを中心にした考え方で私は発言しているわけですから、その辺を十分ご理解をいただきたいと、こう思うわけなんです。  さらには、もう一つの要望事項として、今議会には議員が25名おります、それぞれ会派は分かれておりますけれども。25名の議員の皆さんが鹿角の現状、さらには将来に向けての、心配しての発言だと私は思っております。ただ問題は、やはり市長みずからが25名の議員を平等に扱ってもらわなければ、私はそれこそ将来に禍根を残す大きな問題になってしまうと考えますので、その点も今後十二分に考慮の中に入れながら行政執行してもらいたいということを付言をして、私の質問を終わります。 ○議長(佐藤洋輔君)  以上をもちまして、大信田喜一君の質問を終わります。  本日予定いたしました議事日程は全部終了いたしましたので、ただいまの時刻をもって散会いたします。                 午後2時19分 散会...